第27回 言語聴覚士国家試験 第92問
聴力検査第27回
生後4か月の乳児。CORにて高度難聴と診断されている。
補聴器装用指導において正しいのはどれか。
a.補聴器装用は生後6か月まで待つ。
b.家族の理解を得て試聴を始める。
c.ABR/ASSRを使用して左右別の聴力を測定する。
d.耳あな型補聴器を選択する。
e.初期設定では目標利得を抑制せず大きな音を聞かせ反応を確認する。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
生後4か月の乳児の高度難聴に対する補聴器装用指導では、早期介入(早期装用)と客観的な聴力測定が重要です。家族の同意を得た試聴(b)と、年齢に応じた左右別聴力測定法としてのABR/ASSR(c)が正しい対応です。
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【各選択肢の解説】
a. 補聴器装用は生後6か月まで待つ。
❌ 誤り。新生児聴覚スクリーニングによって早期発見された難聴児は「できるだけ早期(生後3か月までが推奨)」に補聴器装用を開始する必要があります。この時期は言語獲得の黄金期であり、遅延は言語発達に重大な影響を与えます。待つことは推奨されていません。
b. 家族の理解を得て試聴を始める。
✅ 正しい。乳児の補聴器装用指導には、保護者の理解と同意が不可欠です。保護者が補聴器の効果を理解し、乳児の反応を観察しながら段階的に試聴を進めることが成功の鍵となります。これは早期介入の基本原則です。
c. ABR/ASSRを使用して左右別の聴力を測定する。
✅ 正しい。生後4か月では行動反応聴力検査(COR)に加えて、他覚的聴力検査としてABR(聴性脳幹反応)やASSR(聴性定常反応)を用いて客観的かつ左右別に聴力を測定することが標準的です。これらは年齢に関わらず正確な聴力推定が可能です。
d. 耳あな型補聴器を選択する。
❌ 誤り。乳児には耳あな型補聴器は適さない。成長に伴う耳介の拡大と外耳道の変化に対応できず、頻繁な修理・調整が必要になります。また調整の自由度に制限があります。乳児には「耳かけ型補聴器」が標準的です。
e. 初期設定では目標利得を抑制せず大きな音を聞かせ反応を確認する。
❌ 誤り。初期設定では段階的に利得を上げていき、乳児の反応を確認しながら進める必要があります。いきなり大きな音は乳児に過大な刺激となり、不快感・拒否反応につながり、装用継続が困難になります。適応期間を設けることが重要です。
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【試験対策ポイント】
| 項目 | 乳児・幼児の補聴器選択 |
|---|---|
| 推奨型 | 耳かけ型(BTE型) |
| 理由 | 成長に対応、調整自由度高、耐久性 |
| 非推奨 | 耳あな型、眼鏡型 |
| 理由 | 外耳道変化に非対応、調整困難 |
| 聴力測定方法の発達段階別選択 |
|---|---|
| 出生~6か月 | ABR、ASSR(他覚的)が主体 |
| 6か月~2歳 | COR+ABR/ASSR併用 |
| 2歳以上 | 条件詳細聴力検査(COR発展型)+ABR |
| 3歳以上 | 遊戯聴力検査・言語年齢に応じた検査 |
**早期補聴器装用の鉄則**
- 新生児聴覚スクリーニング陽性→精密検査
- 診断確定→できるだけ早期装用(生後3~6か月以内が推奨)
- 保護者教育&段階的試聴
- 言語発達支援が並行目標
**初期設定時の注意