STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第161問

高次脳機能障害第28回
時刻表的生活が特徴的な認知症はどれか。
  1. 1.血管性認知症
  2. 2.特発性正常圧水頭症
  3. 3.レビー小体型認知症
  4. 4.アルツハイマー型認知症
  5. 5.行動障害型前頭側頭型認知症 ✓

正答:5番

解説
# 第28回 第161問 解説 ■ 正答:**5番 — 行動障害型前頭側頭型認知症** 「時刻表的生活」とは、認知症患者が毎日同じ時刻に同じ行動を繰り返す現象を指します。これは**前頭葉機能の低下に伴う常同行動(stereotyped behavior)**が特徴で、特に行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD)で顕著です。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. 血管性認知症** ❌ 誤り。段階的な認知機能低下と脳血管障害に伴う局巣神経徴候(片麻痺・嚥下障害など)が特徴。常同行動や時刻表的生活は顕著でありません。 **2. 特発性正常圧水頭症(NPH)** ❌ 誤り。「徘徊」「尿失禁」「歩行障害」の古典的3徴候が知られており、行動パターンの異常ではなく機能障害が中心です。 **3. レビー小体型認知症** ❌ 誤り。幻視(特に人や動物)・パーキンソン症状・認知機能の変動が特徴。常同行動よりも**幻覚と運動症状**が目立ちます。 **4. アルツハイマー型認知症** ❌ 誤り。記憶障害が最初に現れ、徐々に言語・視空間認知が低下していきます。時刻表的生活は典型的な症状ではありません。 **5. 行動障害型前頭側頭型認知症** ✅ 正しい。**前頭葉(特に前頭眼窩皮質・前帯状皮質)の萎縮**が原因で、以下の特徴を示します: - **常同行動**:毎日同じ時刻に同じ行動を繰り返す(時刻表的生活) - **抑制制御の障害**:衝動性・多幸感・脱抑制 - **共感能力の低下**:社会的行動の改変 - 初期の記憶障害は目立たず、**行動・人格変化が前景に立ちます** --- ## 【試験対策ポイント】 ### 認知症の3つの鑑別軸 | 特徴 | アルツハイマー型 | レビー小体型 | bvFTD | |---|---|---|---| | **初発症状** | 記憶障害 | 幻視 | **行動・人格変化** | | **認知機能** | 記憶中心 | 変動 | 前期は目立たない | | **神経症状** | 遅発 | 初期からあり | 言語症状(S型)もあり | | **常同行動** | ない | ない | **あり(時刻表的生活)** | ### bvFTDの「時刻表的生活」を覚える工夫 **「前頭葉が壊れると→行動の自動化・反復化が進む」という因果関係が鍵です。** - 前頭葉の障害 → **計画性・柔軟性の喪失** → 毎日同じパターンに固着 - 対比:アルツハイマー型の患者も生活は単調になりますが、それは**記憶障害が原因**で新しいことが学習できないからであり、「時刻表的」な常同行動の形態ではありません。 ### その他の前頭側頭型認知症の亜型 - **非流暢性/失文法型PPA(nfvPPA)**:言語障害が前景(左下前頭回優位萎縮) - **意味型PPA**:語意喪失(左側頭極優位萎縮) - **行動障害型(bvFTD)**:行動異常が前景(前頭眼窩・前
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