第56回 作業療法士国家試験 午前 第8問
臨床医学第56回午前
第56回 作業療法士国家試験 午前 第8問(臨床医学)は採点除外(全員に得点)の問題です。Brunnstromステージは上肢Ⅲが共同運動またはその要素を随意的に起こせる段階、手指Ⅲが全指の同時握り(集団屈曲)・鉤形握りはできるが、随意的に指を伸ばして離すことはできない段階である。
問題
65歳の男性。右利き。左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢ともにⅢ。この時の椅子座位での右上肢訓練プログラムとして正しいのはどれか。
- 1. 組んだ両手でテーブル上のボールを前方に転がす。
- 2. 組んだ両手を挙上してペグを把持する。
- 3. 上肢を下垂して手部で床上のボールを転がす。
- 4. 前方にあるペグを把持して抜く。
- 5. 机上にある輪をつまみあげる。
正答:
次の問題から答えを隠して1問ずつ出題。答えはアプリの学習記録に残ります(登録不要) — 弱点分析・成績グラフはアプリで
この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 100%参考値
20人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 採点除外(全員正解の扱い)
Brunnstromステージは上肢Ⅲが共同運動またはその要素を随意的に起こせる段階、手指Ⅲが全指の同時握り(集団屈曲)・鉤形握りはできるが、随意的に指を伸ばして離すことはできない段階である。課題に求められる動き(指の個別の動き・つまみ・手を開く動作の有無)を、この段階と照らして読む。
【各選択肢の解説】
1. 組んだ両手でテーブル上のボールを前方に転がす。
✅ 正しい。両手を組むと非麻痺側の手が麻痺側を誘導・支えるので、指の操作なしに肩と肘の動きでボールを前へ押し出せる。上肢・手指Ⅲで行える課題である。
✅ 正しい。両手を組むと非麻痺側の手が麻痺側を誘導・支えるので、指の操作なしに肩と肘の動きでボールを前へ押し出せる。上肢・手指Ⅲで行える課題である。
2. 組んだ両手を挙上してペグを把持する。
✅ 正しい。図は両手の指を組んで上肢を挙上し、療法士がその組んだ手元にペグを差し出している。指を組むと麻痺側の指は非麻痺側の指の間で開いた形に保たれるので、麻痺側の指を自分で伸ばして開く必要がなく、握り込む(屈曲)だけでペグを保持できる。非麻痺側の手が麻痺側を支えて肩の屈曲も引き出せる。上肢Ⅲの粗大な動きで行える課題である。
✅ 正しい。図は両手の指を組んで上肢を挙上し、療法士がその組んだ手元にペグを差し出している。指を組むと麻痺側の指は非麻痺側の指の間で開いた形に保たれるので、麻痺側の指を自分で伸ばして開く必要がなく、握り込む(屈曲)だけでペグを保持できる。非麻痺側の手が麻痺側を支えて肩の屈曲も引き出せる。上肢Ⅲの粗大な動きで行える課題である。
3. 上肢を下垂して手部で床上のボールを転がす。
✅ 正しい。座位で体幹を前に傾けて上肢を下に垂らすと、指を使わずに肩の振りでボールを押し転がせる。上肢の粗大な動きで行える課題である。
✅ 正しい。座位で体幹を前に傾けて上肢を下に垂らすと、指を使わずに肩の振りでボールを押し転がせる。上肢の粗大な動きで行える課題である。
4. 前方にあるペグを把持して抜く。
❌ 誤り。手指Ⅲは集団屈曲で握ることはできても、随意的に指を開いて離すことが難しいため、物に合わせて自分で手を開いてつかむ課題は負荷が大きいとされる(2番は組んだ手の間に差し出されたペグを握るので、自分で指を開く動作が要らない点が違う)。文献により扱いが分かれる。正しくは、ペグをつかんで操作する課題は手指の伸展が出てくる段階(Ⅳ以降)で取り入れることが多い。
❌ 誤り。手指Ⅲは集団屈曲で握ることはできても、随意的に指を開いて離すことが難しいため、物に合わせて自分で手を開いてつかむ課題は負荷が大きいとされる(2番は組んだ手の間に差し出されたペグを握るので、自分で指を開く動作が要らない点が違う)。文献により扱いが分かれる。正しくは、ペグをつかんで操作する課題は手指の伸展が出てくる段階(Ⅳ以降)で取り入れることが多い。
5. 机上にある輪をつまみあげる。
❌ 誤り。つまみ動作は母指と他の指の個別の動きを要する。正しくは、横つまみは手指Ⅳ、対向つまみは手指Ⅴで可能になる動作である。
❌ 誤り。つまみ動作は母指と他の指の個別の動きを要する。正しくは、横つまみは手指Ⅳ、対向つまみは手指Ⅴで可能になる動作である。
【試験対策ポイント】
| 手指ステージ | できること |
|---|---|
| Ⅲ | 集団屈曲・鉤形握り(随意的に離せない) |
| Ⅳ | 横つまみ・わずかな指の伸展 |
| Ⅴ | 対向つまみ・円筒握り・球握り・随意的な指の伸展 |
- 課題を選ぶときは「指を開く」「つまむ」が要るかをまず見る
- 両手を組む課題は、非麻痺側が麻痺側を誘導して上肢全体を動かせる
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