第44回 理学療法士国家試験 午前 第8問
リハビリテーション医学第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第8問(リハビリテーション医学)の正答は 1 です。これは「誤っているのはどれか」を問う設問なので、正答である1番が誤った記載になります。
問題
80歳の女性。3か月前に居間で尻もちをついた。1か月前に第5腰椎圧迫骨折と診断され、腰痛が持続している。現在は促せば1 km以上の歩行が可能だが、日ごろは転びそうな感じがするため自宅内での生活を送っている。
ICF(国際生活機能分類)に基づく記載の組合せで誤っているのはどれか。
- 1. 個人因子 ―― 外向性の中等度の障害 ✓
- 2. 心身機能 ―― 転倒感の中等度の機能障害
- 3. 身体構造 ―― 腰部脊柱の中等度の構造障害
- 4. 活動 ―― 自宅内の移動(能力)が可能(困難なし)
- 5. 活動 ―― 長距離歩行(能力)が可能(困難なし)
正答:1番
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解説
■ 正答:1番 — 個人因子 ―― 外向性の中等度の障害
これは「誤っているのはどれか」を問う設問なので、正答である1番が誤った記載になります。ICFにおける個人因子は年齢・性別・生活歴・性格・価値観など、その人固有の背景要因であり、障害(機能障害)として評価点を付ける対象ではありません。性格傾向である外向性を「中等度の障害」と表現するのは不適切です。
【各選択肢の解説】
1. 個人因子 ―― 外向性の中等度の障害
❌ 誤り。個人因子は背景因子であり、ICFでは評価点(障害の程度)を付けない領域です。性格の一側面を「障害」として記載することはできません。
❌ 誤り。個人因子は背景因子であり、ICFでは評価点(障害の程度)を付けない領域です。性格の一側面を「障害」として記載することはできません。
2. 心身機能 ―― 転倒感の中等度の機能障害
✅ 正しい。転びそうな感じ(転倒への不安)は情動機能・平衡機能などの心身機能に位置づけられ、機能障害として程度を記載できます。
✅ 正しい。転びそうな感じ(転倒への不安)は情動機能・平衡機能などの心身機能に位置づけられ、機能障害として程度を記載できます。
3. 身体構造 ―― 腰部脊柱の中等度の構造障害
✅ 正しい。第5腰椎圧迫骨折は身体構造(体幹の構造)の障害であり、構造障害として記載します。
✅ 正しい。第5腰椎圧迫骨折は身体構造(体幹の構造)の障害であり、構造障害として記載します。
4. 活動 ―― 自宅内の移動(能力)が可能(困難なし)
✅ 正しい。自宅内での生活は問題なく送れているため、「能力(できる活動)」としては困難なしと判定できます。
✅ 正しい。自宅内での生活は問題なく送れているため、「能力(できる活動)」としては困難なしと判定できます。
5. 活動 ―― 長距離歩行(能力)が可能(困難なし)
✅ 正しい。促せば1km以上歩けるので「能力」は困難なしです。ただし日ごろは自宅内にとどまるため、「実行状況(している活動)」では制限ありとなります。
✅ 正しい。促せば1km以上歩けるので「能力」は困難なしです。ただし日ごろは自宅内にとどまるため、「実行状況(している活動)」では制限ありとなります。
【試験対策ポイント】
ICFで最も狙われるのは次の2点です。
1. 評価点を付ける領域と付けない領域
心身機能・身体構造・活動・参加・環境因子には評価点を付けますが、個人因子は分類も評価もされていない(背景因子として記述するのみ)点が最大のポイントです。
2. 「能力(capacity)」と「実行状況(performance)」の区別
- 能力=標準的な環境で「できる」最大限の力(本症例では1km歩行が可能)
- 実行状況=現在の環境で実際に「している」こと(本症例では自宅内のみ)
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