第44回 理学療法士国家試験 午前 第11問
理学療法評価学第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第11問(理学療法評価学)の正答は 4 です。MRI(矢状断)では、下腿後面を走るアキレス腱の連続性が遠位部で途絶し、断裂部に高信号(白く見える)域と腱の腫大が認められます。
問題
37歳の男性。サッカー中に右踵の上を蹴られたような感じとともに疼痛が出現し、片脚起立が不能となった。下腿後面の遠位部に疼痛と腫脹とを認める。右下腿部のMRI(別冊No.1)を別に示す。
この病態で陽性になる徴候はどれか。
- 1. Apley テスト
- 2. Lasègue テスト
- 3. Lachman テスト
- 4. Thompson テスト ✓
- 5. McMurray テスト
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — Thompson テスト
MRI(矢状断)では、下腿後面を走るアキレス腱の連続性が遠位部で途絶し、断裂部に高信号(白く見える)域と腱の腫大が認められます。サッカー中に「踵の上を蹴られた感じ」で発症し、片脚起立不能・下腿後面遠位の疼痛と腫脹という経過と合わせ、アキレス腱断裂と診断できます。この診断に用いるのがThompsonテストです。
【各選択肢の解説】
1. Apley テスト
❌ 誤り。腹臥位で膝90°屈曲位とし、下腿を軸圧しながら回旋させて疼痛をみる半月板損傷の検査です(牽引しながら回旋して痛めば靱帯損傷)。
❌ 誤り。腹臥位で膝90°屈曲位とし、下腿を軸圧しながら回旋させて疼痛をみる半月板損傷の検査です(牽引しながら回旋して痛めば靱帯損傷)。
2. Lasègue テスト
❌ 誤り。背臥位で下肢を伸展位のまま挙上し、坐骨神経に沿った放散痛をみる検査(SLRテスト)で、腰椎椎間板ヘルニアなどの坐骨神経障害で陽性となります。
❌ 誤り。背臥位で下肢を伸展位のまま挙上し、坐骨神経に沿った放散痛をみる検査(SLRテスト)で、腰椎椎間板ヘルニアなどの坐骨神経障害で陽性となります。
3. Lachman テスト
❌ 誤り。膝関節20〜30°屈曲位で脛骨を前方に引き出し、制動性をみる前十字靱帯損傷の検査です。
❌ 誤り。膝関節20〜30°屈曲位で脛骨を前方に引き出し、制動性をみる前十字靱帯損傷の検査です。
4. Thompson テスト
✅ 正しい。腹臥位で足部を台から出し、下腿三頭筋の筋腹を手で握ります。健常なら足関節が底屈しますが、アキレス腱が断裂していると底屈が起こらず陽性となります。
✅ 正しい。腹臥位で足部を台から出し、下腿三頭筋の筋腹を手で握ります。健常なら足関節が底屈しますが、アキレス腱が断裂していると底屈が起こらず陽性となります。
5. McMurray テスト
❌ 誤り。背臥位で膝を最大屈曲位から伸展させながら下腿を内旋・外旋させ、クリックや疼痛をみる半月板損傷の検査です。
❌ 誤り。背臥位で膝を最大屈曲位から伸展させながら下腿を内旋・外旋させ、クリックや疼痛をみる半月板損傷の検査です。
【試験対策ポイント】
整形外科的徒手検査法と対象疾患の対応は、毎年必ず問われる暗記事項です。
| 検査法 | 陽性所見が示す損傷 |
|---|---|
| Thompson | アキレス腱断裂 |
| Lachman・前方引き出し | 前十字靱帯損傷 |
| 後方引き出し・sagging | 後十字靱帯損傷 |
| McMurray・Apley | 半月板損傷 |
| Lasègue(SLR) | 腰椎椎間板ヘルニア(L4/5・L5/S1) |
| 前方引き出し(足関節) | 前距腓靱帯損傷 |
アキレス腱断裂は中年のスポーツ愛好者に多く、「蹴られた感じ」を訴え、断裂部に陥凹を触れ、片脚つま先立ちが不能になります。
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