第44回 理学療法士国家試験 午前 第13問
整形外科疾患理学療法第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第13問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。「適切でないのはどれか」を問う設問なので、正答である3番が不適切な内容になります。
問題
74歳の女性。5年前から左膝痛が出現し、徐々に増悪して歩行が困難となったため左膝の手術を受けた。術前と術後のエックス線写真(別冊No.2)を別に示す。
術後の理学療法で適切でないのはどれか。
- 1. 術後2日目から大腿四頭筋のセッティングを行う。
- 2. 術後3日目から膝関節の可動域訓練を行う。
- 3. 術後7日目から足関節の自動運動を行う。 ✓
- 4. 術後10日目から荷重歩行訓練を行う。
- 5. 退院後も屋外で杖を使用する。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 術後7日目から足関節の自動運動を行う。
「適切でないのはどれか」を問う設問なので、正答である3番が不適切な内容になります。エックス線写真から本症例は人工膝関節全置換術(TKA)後です。足関節の自動底背屈運動(足関節ポンプ)は下肢の静脈還流を促し深部静脈血栓症(DVT)を予防する目的で、手術当日または翌日から開始するのが原則です。7日目からでは遅すぎます。
【各選択肢の解説】
1. 術後2日目から大腿四頭筋のセッティングを行う。
✅ 適切。等尺性収縮は創部への負担が少なく、TKA後は当日〜翌日から開始します。膝伸展機構の廃用予防と大腿四頭筋の筋力維持に有効です。
✅ 適切。等尺性収縮は創部への負担が少なく、TKA後は当日〜翌日から開始します。膝伸展機構の廃用予防と大腿四頭筋の筋力維持に有効です。
2. 術後3日目から膝関節の可動域訓練を行う。
✅ 適切。TKAでは癒着と拘縮を防ぐため早期からの可動域訓練が標準的で、施設によっては術翌日からCPM(持続的他動運動)を併用します。
✅ 適切。TKAでは癒着と拘縮を防ぐため早期からの可動域訓練が標準的で、施設によっては術翌日からCPM(持続的他動運動)を併用します。
3. 術後7日目から足関節の自動運動を行う。
❌ 適切でない。足関節の自動運動はDVT予防の基本で、術直後(当日〜翌日)から積極的に行います。開始が7日目では血栓形成の危険が高まります。
❌ 適切でない。足関節の自動運動はDVT予防の基本で、術直後(当日〜翌日)から積極的に行います。開始が7日目では血栓形成の危険が高まります。
4. 術後10日目から荷重歩行訓練を行う。
✅ 適切。セメント使用のTKAでは早期から全荷重が可能で、術後数日〜1週で歩行訓練を開始します。10日目の荷重歩行は妥当な時期です。
✅ 適切。セメント使用のTKAでは早期から全荷重が可能で、術後数日〜1週で歩行訓練を開始します。10日目の荷重歩行は妥当な時期です。
5. 退院後も屋外で杖を使用する。
✅ 適切。高齢者では転倒予防と人工関節への負荷軽減のため、屋外での杖の継続使用が推奨されます。
✅ 適切。高齢者では転倒予防と人工関節への負荷軽減のため、屋外での杖の継続使用が推奨されます。
【試験対策ポイント】
TKA術後の標準的な進め方(時期は施設により前後します)を押さえましょう。
- 当日〜翌日:足関節自動運動(DVT予防)、大腿四頭筋セッティング
- 1〜3日:膝関節可動域訓練(CPM併用)、離床・車椅子移乗
- 3〜7日:荷重開始(セメント固定なら全荷重可)、平行棒内歩行
- 2週前後:歩行器・杖歩行、階段昇降、退院
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