第44回 理学療法士国家試験 午前 第40問
整形外科疾患理学療法第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第40問(整形外科疾患理学療法)の正答は 2・5 です。人工股関節置換術(後方アプローチ)後は、股関節の過度の屈曲(90°以上)・内転・内旋が組み合わさると脱臼を起こします。
問題
右変形性股関節症で人工股関節置換術を受けている。この患者に対する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1. 図1
- 2. 図2 ✓
- 3. 図3
- 4. 図4
- 5. 図5 ✓
正答:2・5番
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解説
■ 正答:2・5番 — 図2/図5
人工股関節置換術(後方アプローチ)後は、股関節の過度の屈曲(90°以上)・内転・内旋が組み合わさると脱臼を起こします。図2はリーチャー(柄の先にフックが付いた自助具)を用いて、車椅子に座ったまま床の物を拾っており、体幹の深い前屈=股関節の過屈曲を避けられます。図5は床上での腹臥位で、股関節を伸展位に保つため屈曲拘縮の予防になり、脱臼肢位にもなりません。この2つが適切な指導です。
【各選択肢の解説】
1. 図1
❌ 誤り。床上で両脚を一方に流した横座り(お姉さん座り)です。一方の股関節が屈曲+内転+内旋位となり、後方脱臼の典型的な肢位です。
❌ 誤り。床上で両脚を一方に流した横座り(お姉さん座り)です。一方の股関節が屈曲+内転+内旋位となり、後方脱臼の典型的な肢位です。
2. 図2
✅ 正しい。リーチャーを使って車椅子座位のまま床の荷物を拾っています。前かがみによる股関節の過屈曲を避けられ、術後のADL指導として推奨される方法です。
✅ 正しい。リーチャーを使って車椅子座位のまま床の荷物を拾っています。前かがみによる股関節の過屈曲を避けられ、術後のADL指導として推奨される方法です。
3. 図3
❌ 誤り。ベッド上で膝を深く曲げ、体幹を大きく前屈させて手をついています。股関節が90°を大きく超えて屈曲しており、脱臼の危険がある姿勢です。
❌ 誤り。ベッド上で膝を深く曲げ、体幹を大きく前屈させて手をついています。股関節が90°を大きく超えて屈曲しており、脱臼の危険がある姿勢です。
4. 図4
❌ 誤り。低い座面に腰掛けているため膝が股関節より高くなり、股関節が過屈曲しています。術後は座面の高い椅子を使い、低いソファ・和式の座位は避けるよう指導します。
❌ 誤り。低い座面に腰掛けているため膝が股関節より高くなり、股関節が過屈曲しています。術後は座面の高い椅子を使い、低いソファ・和式の座位は避けるよう指導します。
5. 図5
✅ 正しい。腹臥位は股関節を伸展位に保つ姿勢で、術後に生じやすい股関節屈曲拘縮の予防に有効です。脱臼肢位を作らず、家庭でも安全に行えます。
✅ 正しい。腹臥位は股関節を伸展位に保つ姿勢で、術後に生じやすい股関節屈曲拘縮の予防に有効です。脱臼肢位を作らず、家庭でも安全に行えます。
【試験対策ポイント】
人工股関節置換術後の脱臼肢位(アプローチ別)
| アプローチ | 脱臼しやすい肢位 | 具体的に避ける動作 |
|---|---|---|
| 後方(後側方) | 屈曲+内転+内旋 | 低い椅子・和式トイレ・横座り・脚を組む・足の爪切り・靴下を前かがみで履く |
| 前方(前側方) | 伸展+内転+外旋 | うつ伏せで脚を後ろに反らす・立位で患側を外にひねる |
後方アプローチが多数を占めるため、国試では「深く曲げない・内側に交差させない・内にひねらない」の3点セットで判断すれば大半が解けます。生活指導としては、座面の高い椅子・洋式トイレ・ベッドの使用、リーチャー・ソックスエイド・長柄ブラシなどの自助具導入、就寝時の外転枕の使用を指導します。
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