PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第15問

物理療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第15問(物理療法)の正答は 4 です。「適切でないのはどれか」を問う設問なので、正答である4番が不適切な物理療法になります。

問題
70歳の女性。左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時、手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した。 その後、深部静脈血栓症は治癒したが、手術側の膝に屈曲拘縮と疼痛とがある。 物理療法で適切でないのはどれか。
  1. 1. 赤外線
  2. 2. 超音波
  3. 3. 渦流浴
  4. 4. 超短波
  5. 5. ホットパック

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 超短波

「適切でないのはどれか」を問う設問なので、正答である4番が不適切な物理療法になります。本症例は人工膝関節置換術後であり、体内に金属製のインプラントが存在します。超短波(極超短波を含む高周波温熱療法)は金属に渦電流を生じさせて異常発熱させるため、体内金属がある部位への使用は禁忌です。


【各選択肢の解説】

1. 赤外線
✅ 適切。皮膚表面から数mmの表在温熱で、疼痛緩和と血流改善に有効です。金属に対する影響はありません。
2. 超音波
✅ 適切。深部温熱として関節周囲の軟部組織の伸張性を高め、屈曲拘縮の改善に有用です。金属インプラントは超音波を反射するため過剰発熱を起こしにくく、禁忌にはあたりません。
3. 渦流浴
✅ 適切。温水による温熱効果と水流による機械的刺激で、疼痛緩和・浮腫軽減・血流改善が得られます。
4. 超短波
❌ 適切でない。高周波電磁波による深部温熱で、体内金属に渦電流が発生して熱傷を起こす危険があります。人工関節・金属固定材・心臓ペースメーカーがある場合は禁忌です。
5. ホットパック
✅ 適切。表在温熱の代表で、疼痛緩和と可動域訓練前の軟部組織の伸張性向上に用います。

【試験対策ポイント】

物理療法の禁忌は国家試験の定番です。とくに体内金属が問われたら、まず高周波(超短波・極超短波)を疑いましょう。

  • 超短波・極超短波(マイクロ波)の禁忌:体内金属、心臓ペースメーカー、妊娠、悪性腫瘍、知覚障害、金属を含む湿布や装具
  • 超音波の禁忌:眼球、心臓、生殖器、成長期の骨端線、悪性腫瘍、妊娠中の腹部(体内金属は原則禁忌でない
  • 温熱療法全般の禁忌:急性炎症期、出血傾向、感染部位、重度の知覚障害、意思疎通が困難な場合
拘縮に対する温熱療法は「温めてから伸ばす」のが原則で、温熱直後にストレッチや可動域訓練を組み合わせると効果が高まります。

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