第44回 理学療法士国家試験 午前 第18問
神経内科学第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第18問(神経内科学)の正答は 5 です。発症当日の頭部CT(中脳〜鞍上部レベルの水平断)で、鞍上槽(五角形の脳底槽)・両側のシルビウス裂・迂回槽が、脳実質より白い高吸収域として描出されています。
問題
75歳の女性。突然の意識障害で搬入された。発症当日の頭部CT(別冊No.4)を別に示す。
考えられるのはどれか。
- 1. 脳塞栓
- 2. 髄膜腫
- 3. 脳内出血
- 4. 硬膜下血腫
- 5. くも膜下出血 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — くも膜下出血
発症当日の頭部CT(中脳〜鞍上部レベルの水平断)で、鞍上槽(五角形の脳底槽)・両側のシルビウス裂・迂回槽が、脳実質より白い高吸収域として描出されています。血液がくも膜下腔(脳槽・脳溝)に広がった典型像で、突然の意識障害という発症様式と合わせてくも膜下出血と診断できます。
【各選択肢の解説】
1. 脳塞栓
❌ 誤り。脳梗塞では発症当日のCTはほぼ正常か、early CT signがわずかに見える程度で、白い高吸収域にはなりません。梗塞巣は時間経過とともに低吸収(黒)として現れます。
❌ 誤り。脳梗塞では発症当日のCTはほぼ正常か、early CT signがわずかに見える程度で、白い高吸収域にはなりません。梗塞巣は時間経過とともに低吸収(黒)として現れます。
2. 髄膜腫
❌ 誤り。硬膜に広基性に付着する境界明瞭な腫瘤として描出され、造影で強く濃染します。徐々に進行する経過をとり、突然の意識障害という発症とは合いません。
❌ 誤り。硬膜に広基性に付着する境界明瞭な腫瘤として描出され、造影で強く濃染します。徐々に進行する経過をとり、突然の意識障害という発症とは合いません。
3. 脳内出血
❌ 誤り。被殻・視床・小脳・橋など脳実質内に塊状の高吸収域を示します。本症例の高吸収は脳槽・脳裂に沿って広がっており、実質内の血腫ではありません。
❌ 誤り。被殻・視床・小脳・橋など脳実質内に塊状の高吸収域を示します。本症例の高吸収は脳槽・脳裂に沿って広がっており、実質内の血腫ではありません。
4. 硬膜下血腫
❌ 誤り。頭蓋骨の内板に沿って広がる三日月型の高吸収域(急性期)が特徴で、外傷歴を伴うことが多い病態です。
❌ 誤り。頭蓋骨の内板に沿って広がる三日月型の高吸収域(急性期)が特徴で、外傷歴を伴うことが多い病態です。
5. くも膜下出血
✅ 正しい。脳底槽が血液で満たされ、ヒトデ型(星型・ペンタゴン)に白く描出されるのが典型です。原因の約80〜85%は脳動脈瘤破裂で、突然の激しい頭痛や意識障害で発症します。
✅ 正しい。脳底槽が血液で満たされ、ヒトデ型(星型・ペンタゴン)に白く描出されるのが典型です。原因の約80〜85%は脳動脈瘤破裂で、突然の激しい頭痛や意識障害で発症します。
【試験対策ポイント】
頭部CTの高吸収(白)/低吸収(黒)と分布の組合せで鑑別します。
| 病態 | CT所見 |
|---|---|
| くも膜下出血 | 脳底槽・シルビウス裂が高吸収(ヒトデ型) |
| 脳内出血 | 脳実質内(被殻・視床など)に塊状の高吸収 |
| 急性硬膜下血腫 | 頭蓋骨内板に沿う三日月型の高吸収 |
| 急性硬膜外血腫 | 骨に接した凸レンズ型の高吸収 |
| 脳梗塞(急性期) | 当日はほぼ正常、後に低吸収 |
| 慢性硬膜下血腫 | 三日月型の低〜等吸収、緩徐進行 |
くも膜下出血は合併症の時期も頻出です。再出血は発症24時間以内が最多、脳血管攣縮は発症4〜14日、正常圧水頭症は1か月以降。急性期理学療法の可否はこの時期で判断します。
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