PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第90問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第90問(神経内科学)の正答は 1 です。ボツリヌス毒素は神経筋接合部の運動神経終末(シナプス前膜)に作用し、アセチルコリンの放出を阻害します。

問題
神経筋接合部の障害が病態の中心である疾患はどれか。
  1. 1. ボツリヌス中毒症
  2. 2. 筋萎縮性側索硬化症
  3. 3. 急性散在性脳脊髄炎
  4. 4. Guillain-Barré症候群
  5. 5. Charcot-Marie-Tooth病

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — ボツリヌス中毒症

ボツリヌス毒素は神経筋接合部の運動神経終末(シナプス前膜)に作用し、アセチルコリンの放出を阻害します。その結果、弛緩性麻痺・眼瞼下垂・複視・嚥下障害・呼吸筋麻痺を来します。この作用を治療応用したものが痙縮に対するボツリヌス療法です。


【各選択肢の解説】

1. ボツリヌス中毒症
✅ 正しい。シナプス前性の神経筋接合部障害の代表です。
2. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。上位運動ニューロン(皮質脊髄路)と下位運動ニューロン(脊髄前角細胞)がともに変性する運動ニューロン疾患です。
3. 急性散在性脳脊髄炎
❌ 誤り。感染やワクチン接種後に生じる中枢神経の脱髄疾患です。
4. Guillain-Barré症候群
❌ 誤り。先行感染後に生じる末梢神経の急性炎症性脱髄性多発根神経炎で、病変部位は末梢神経の髄鞘・軸索です。
5. Charcot-Marie-Tooth病
❌ 誤り。遺伝性の末梢神経障害(遺伝性運動感覚ニューロパチー)で、下腿の逆シャンパンボトル様筋萎縮・凹足を呈します。

【試験対策ポイント】

障害部位別の分類は毎年出ます。

部位疾患
上位運動ニューロン脳血管障害・脊髄損傷・多発性硬化症
下位運動ニューロン(前角)ポリオ・脊髄性筋萎縮症
上位+下位筋萎縮性側索硬化症
末梢神経Guillain-Barré症候群・CMT病・糖尿病性ニューロパチー
神経筋接合部重症筋無力症・Lambert-Eaton症候群・ボツリヌス中毒症
筋ジストロフィー・多発筋炎

神経筋接合部疾患の中では、重症筋無力症=シナプス後膜のACh受容体に対する自己抗体・易疲労性・日内変動(夕方悪化)Lambert-Eaton症候群=シナプス前膜のCaチャネル抗体・運動反復で一過性に筋力が増すという違いが問われます。

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