PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第80問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第80問(神経内科学)の正答は 3・4 です。提示されたCTは頸椎です。

問題
CT(別冊No. 3)を別に示す。この症例でみられるのはどれか。2つ選べ。
第44回午後第80問 図
  1. 1. 筋線維束攣縮
  2. 2. 上腕三頭筋反射の低下
  3. 3. Hoffmann反射陽性
  4. 4. Babinski反射陽性
  5. 5. 舌の萎縮

正答:3・4番

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解説
■ 正答:3・4番 — Hoffmann反射陽性/Babinski反射陽性

提示されたCTは頸椎です。矢状断では椎体後縁に沿って上位から連続する厚い骨性の高吸収帯がみられ、水平断では椎体後方から脊柱管内へキノコ状に突出する骨化塊が脊髄の前方を強く圧迫しています。後縦靱帯骨化症(OPLL)による頸髄症の像であり、脊髄(上位運動ニューロン)が圧迫されるため病的反射が陽性となります。


【各選択肢の解説】

1. 筋線維束攣縮
❌ みられにくい。線維束攣縮は前角細胞や末梢神経の変性を示す下位運動ニューロン徴候で、ALSに特徴的な所見です。脊髄圧迫が主体の頸髄症では典型的ではありません。
2. 上腕三頭筋反射の低下
❌ みられにくい。画像の骨化は上位〜中位頸椎レベルにあり、圧迫部位より遠位の腱反射はむしろ亢進します。反射低下は障害高位の神経根・前角が壊れた場合の所見です。
3. Hoffmann反射陽性
✅ みられる。中指末節を弾いて母指が屈曲する上肢の病的反射で、頸髄レベルの錐体路障害を示します。頸髄症のスクリーニングとして必ず診るサインです。
4. Babinski反射陽性
✅ みられる。足底外側をこすって母趾が背屈する下肢の病的反射で、錐体路障害を示します。頸髄が圧迫されれば下肢にも上位運動ニューロン徴候が出現します。
5. 舌の萎縮
❌ みられない。舌の萎縮は舌下神経核(延髄)の障害によるもので、頸髄より上位の病変を示します。本症例の病変レベルでは説明できません。

【試験対策ポイント】

頸椎OPLLはCTで椎体後縁の骨化として明瞭に描出されます(MRIよりCTが得意)。日本人に多く、男性・50歳以上に好発し、難病医療費助成の対象疾患です。頸髄症の症状は「手指巧緻運動障害(箸・ボタン)」「痙性歩行」「膀胱直腸障害」で、診察所見は上肢・下肢とも腱反射亢進+病的反射陽性。転倒による過伸展で中心性頸髄損傷を起こしやすいため、理学療法では頸部の過伸展を避ける指導と転倒予防が最優先になります。

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