第44回 理学療法士国家試験 午前 第19問
神経疾患理学療法第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第19問(神経疾患理学療法)の正答は 1・5 です。本症例はくも膜下出血の発症3日目で、JCS 10(呼びかけで開眼するが放置すると眠り込む)です。
問題
75歳の女性。突然の意識障害で搬入された。発症当日の頭部CT(別冊No.4)を別に示す。
発症3日目のJCS(Japan coma scale)は10点であった。この時点の理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 1. 体位変換 ✓
- 2. 座位訓練
- 3. 移乗訓練
- 4. 腹筋強化
- 5. 関節可動域訓練 ✓
正答:1・5番
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解説
■ 正答:1・5番 — 体位変換/関節可動域訓練
本症例はくも膜下出血の発症3日目で、JCS 10(呼びかけで開眼するが放置すると眠り込む)です。再出血の危険が残り、発症4〜14日の脳血管攣縮期に入る直前にあたります。血圧上昇や努責を招く運動は避け、廃用症候群の予防にとどめるのが原則です。
【各選択肢の解説】
1. 体位変換
✅ 適切。褥瘡予防と換気改善(沈下性肺炎の予防)のため、安静度が厳しい時期でも実施します。急激な体位変化や頭部挙上は血圧変動を招くため、ゆっくり愛護的に行います。
✅ 適切。褥瘡予防と換気改善(沈下性肺炎の予防)のため、安静度が厳しい時期でも実施します。急激な体位変化や頭部挙上は血圧変動を招くため、ゆっくり愛護的に行います。
2. 座位訓練
❌ 不適切。座位は血圧変動と頭蓋内圧の変化を招きます。再出血・脳血管攣縮の危険が高い発症3日目には時期尚早で、離床は攣縮期を脱してから医師の指示のもとで進めます。
❌ 不適切。座位は血圧変動と頭蓋内圧の変化を招きます。再出血・脳血管攣縮の危険が高い発症3日目には時期尚早で、離床は攣縮期を脱してから医師の指示のもとで進めます。
3. 移乗訓練
❌ 不適切。座位訓練よりさらに負荷が大きく、JCS 10では指示理解も不十分で安全に行えません。
❌ 不適切。座位訓練よりさらに負荷が大きく、JCS 10では指示理解も不十分で安全に行えません。
4. 腹筋強化
❌ 不適切。腹圧をかける運動は努責(Valsalva手技)を伴い、血圧と頭蓋内圧を上昇させて再出血を誘発する危険があります。急性期には最も避けるべき運動です。
❌ 不適切。腹圧をかける運動は努責(Valsalva手技)を伴い、血圧と頭蓋内圧を上昇させて再出血を誘発する危険があります。急性期には最も避けるべき運動です。
5. 関節可動域訓練
✅ 適切。他動的な関節可動域訓練は循環動態への負担が小さく、拘縮予防のため早期から実施できます。ゆっくりとした速度で、痛みや血圧上昇を伴わない範囲で行います。
✅ 適切。他動的な関節可動域訓練は循環動態への負担が小さく、拘縮予防のため早期から実施できます。ゆっくりとした速度で、痛みや血圧上昇を伴わない範囲で行います。
【試験対策ポイント】
くも膜下出血の急性期理学療法は「やってよいこと=廃用予防/やってはいけないこと=血圧を上げること」で機械的に判別できます。
- 実施可:体位変換、ポジショニング、他動的関節可動域訓練、呼吸理学療法(愛護的に)
- 実施不可(急性期):座位・立位などの離床、抵抗運動、腹筋・努責を伴う運動、頸部の過度な運動
離床開始の目安は、脳血管攣縮期(発症4〜14日)を脱して全身状態が安定してからです。
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