PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第35問

整形外科学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第35問(整形外科学)の正答は 4 です。背面から描かれた図では、上端椎の傾き28°と下端椎の傾き15°が示されており、Cobb角はこの2本の線がなす角=28°+15°=43°です。

問題
図のような側弯患者で正しいのはどれか。
第44回午前第35問 図
  1. 1. 左肩甲骨が隆起する。
  2. 2. Cobb角は13°である。
  3. 3. 装具療法の適応はない。
  4. 4. 体幹の前屈運動が制限される。
  5. 5. 側弯部の脊柱は椎体が左へ回旋する。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 体幹の前屈運動が制限される。

背面から描かれた図では、上端椎の傾き28°と下端椎の傾き15°が示されており、Cobb角はこの2本の線がなす角=28°+15°=43°です。カーブの頂点は患者の右側に膨らむ右凸の胸腰椎側弯で、椎体は凸側(右)へ回旋しています。構築性側弯では椎体回旋と肋骨変形により脊柱の可動性が低下し、体幹の前屈運動が制限されます(前屈させると肋骨隆起が顕著になります)。


【各選択肢の解説】

1. 左肩甲骨が隆起する。
❌ 誤り。図は右凸のカーブで、椎体が右へ回旋するため肋骨隆起(rib hump)は凸側の右背部に生じます。隆起するのは右肩甲骨です。
2. Cobb角は13°である。
❌ 誤り。Cobb角は上端椎の上縁と下端椎の下縁がなす角で、図の28°と15°を足した43°です。2つの角度の差(13°)ではありません。
3. 装具療法の適応はない。
❌ 誤り。成長期の特発性側弯症では、一般にCobb角25〜40°以上で装具療法(アンダーアーム型など)の適応となります。43°は装具、さらに進行すれば手術も検討される角度です。
4. 体幹の前屈運動が制限される。
✅ 正しい。構築性側弯では椎体回旋・肋骨変形・軟部組織の非対称な短縮により脊柱の可動性が低下し、前屈が制限されます。前屈テスト(Adams forward bending test)は側弯のスクリーニングとして必須の手技です。
5. 側弯部の脊柱は椎体が左へ回旋する。
❌ 誤り。側弯では椎体は凸側へ回旋し、棘突起は凹側を向きます。右凸の本例では椎体は右へ回旋します。

【試験対策ポイント】

Cobb角の測り方:最も傾いた上端椎の上縁と、最も傾いた下端椎の下縁に線を引き、その2線がなす角を測ります。図のように各椎体の傾きが個別に示されている場合は、そのがCobb角です。

Cobb角と治療方針の目安

Cobb角方針
25°未満経過観察(3〜6か月ごと)
25〜40°装具療法(成長終了まで)
40〜50°以上手術(後方矯正固定術など)

「凸側=椎体が回旋する側=肋骨隆起(ハンプ)が出る側」の3点セットで整理すると、左右の判断で迷いません。

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