PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第36問

物理療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第36問(物理療法)の正答は 3 です。図3はキャスター付きの本体に2本のアームが伸び、一方に長方形の電極板、他方に円形の導子が付いた短波・極超短波(ジアテルミー)治療器です。

問題
変形性膝関節症で人工膝関節置換術後6週経過。膝関節屈曲拘縮と運動痛とがある。物理療法で適切でないのはどれか。
第44回午前第36問 図
  1. 1. 図1
  2. 2. 図2
  3. 3. 図3
  4. 4. 図4
  5. 5. 図5

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 図3

図3はキャスター付きの本体に2本のアームが伸び、一方に長方形の電極板、他方に円形の導子が付いた短波・極超短波(ジアテルミー)治療器です。人工膝関節置換術後の膝には金属製のインプラントが入っており、高周波の電磁波は金属に渦電流を生じさせて局所を異常に発熱させ、熱傷や機器の緩みを招くため禁忌です。したがって物理療法として適切ではありません。


【各選択肢の解説】

1. 図1
✅ 正しい。区画状に縫われたキャンバス地の袋=ホットパックです。伝導熱による表在温熱で、金属インプラントがあっても安全に使えます。屈曲拘縮に対する伸張前の加温として有効です。
2. 図2
✅ 正しい。導子(プローブ)を握り、皮膚上を左右に移動させながら照射する超音波療法です。超音波は音響エネルギーで金属に渦電流を生じないため、人工関節そのものを避けて周囲の軟部組織に照射する形で用いられます。深部の伸張性改善に有効です。
3. 図3
❌ 誤り。短波・極超短波ジアテルミー装置です。体内金属(人工関節・骨接合材料・ペースメーカ)がある部位への照射は絶対禁忌で、この患者には使えません。
4. 図4
✅ 正しい。大腿部に2枚の電極を貼付し小型の刺激装置につないだ電気刺激療法です。低周波電流は疼痛緩和(TENS)や大腿四頭筋の筋力維持(NMES)に用いられ、金属インプラント自体は禁忌ではありません(創部や電極直下の皮膚状態には注意します)。
5. 図5
✅ 正しい。溶かしたパラフィンをハケで塗り、タオルで包むパラフィン浴(ブラッシュ法)です。伝導熱による表在温熱で、金属があっても問題ありません。

【試験対策ポイント】

体内金属がある患者で禁忌になる物理療法をまず押さえます。

  • 禁忌:短波ジアテルミー・極超短波(マイクロ波)=高周波電磁波で金属が発熱する
  • 使える:ホットパック・パラフィン浴・赤外線などの伝導/輻射熱、超音波(金属直上は避ける)、低周波電気刺激
ペースメーカ装着者では極超短波に加えて電気刺激療法も禁忌になる点が、金属インプラントの場合との違いです。妊婦の腹部・骨端線の残る小児・悪性腫瘍部・感覚脱失部・急性炎症部も温熱の禁忌として頻出です。

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