第48回 理学療法士国家試験 午後 第15問
整形外科疾患理学療法第48回午後
第48回 理学療法士国家試験 午後 第15問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。BMI 29の肥満があり、両側変形性股関節症で荷重時痛を伴う症例です。
問題
46歳の女性。BMIは29である。両側の変形性股関節症で、股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある。理学療法で適切でないのはどれか。
- 1. 杖を用いた歩行訓練
- 2. 水中歩行による有酸素運動
- 3. 階段昇降による筋力増強訓練 ✓
- 4. 背臥位での下肢筋のストレッチ
- 5. 自転車エルゴメーターでの筋持久性訓練
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 階段昇降による筋力増強訓練
BMI 29の肥満があり、両側変形性股関節症で荷重時痛を伴う症例です。階段昇降は片脚支持となる場面で股関節に体重の数倍の関節反力が加わるうえ、肥満によりその負荷はさらに増大します。疼痛と関節破壊を助長するため、筋力増強の手段として適切ではありません。
【各選択肢の解説】
1. 杖を用いた歩行訓練
✅ 正しい(適切)。患側と反対側に杖を持つことで股関節にかかる荷重を軽減でき、疼痛を抑えながら歩行能力を維持できます。
✅ 正しい(適切)。患側と反対側に杖を持つことで股関節にかかる荷重を軽減でき、疼痛を抑えながら歩行能力を維持できます。
2. 水中歩行による有酸素運動
✅ 正しい(適切)。浮力により関節への荷重が軽減され、疼痛を誘発しにくい状態で有酸素運動と減量を進められます。肥満を伴う変形性関節症の代表的な運動療法です。
✅ 正しい(適切)。浮力により関節への荷重が軽減され、疼痛を誘発しにくい状態で有酸素運動と減量を進められます。肥満を伴う変形性関節症の代表的な運動療法です。
3. 階段昇降による筋力増強訓練
❌ 誤り(適切でない)。階段昇降時の股関節には体重の数倍の関節反力が加わります。荷重時痛のある両側変形性股関節症、しかも肥満例では疼痛の増悪と関節破壊の進行を招くため避けるべきです。
❌ 誤り(適切でない)。階段昇降時の股関節には体重の数倍の関節反力が加わります。荷重時痛のある両側変形性股関節症、しかも肥満例では疼痛の増悪と関節破壊の進行を招くため避けるべきです。
4. 背臥位での下肢筋のストレッチ
✅ 正しい(適切)。非荷重位で行えるため関節への負担が小さく、股関節周囲の拘縮予防と可動域維持に有効です。
✅ 正しい(適切)。非荷重位で行えるため関節への負担が小さく、股関節周囲の拘縮予防と可動域維持に有効です。
5. 自転車エルゴメーターによる筋持久性訓練
✅ 正しい(適切)。座位で行うため荷重負荷が小さく、下肢の筋持久力の改善と減量に適しています。
✅ 正しい(適切)。座位で行うため荷重負荷が小さく、下肢の筋持久力の改善と減量に適しています。
【試験対策ポイント】
変形性股関節症の運動療法の原則は「関節にかかる荷重を減らしながら、筋力と持久力を上げる」ことです。
- 荷重を減らす手段:減量、患側と反対側に持つT字杖、水中運動、免荷歩行
- 避けるもの:階段昇降・ジャンプ・長距離歩行・荷重下での高負荷運動、および和式生活(深いしゃがみ込み・正座・低い椅子・和式トイレ)
- 強化すべき筋:中殿筋(股関節外転筋)。弱化するとTrendelenburg徴候やDuchenne歩行が出現します。
- BMI 25以上が肥満で、体重を1kg減らすと歩行時に股関節へかかる負荷は約3kg分軽減するとされ、減量指導が最重要の介入となります。
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