PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第55問

整形外科疾患理学療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第55問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。設問は「誤っている組合せ」を問うています。

問題
スポーツ外傷と強化すべき筋との組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. 肩関節前方脱臼 ―― 肩関節内旋筋
  2. 2. 肘関節内側側副靱帯損傷 ―― 手関節屈筋
  3. 3. 膝関節後十字靱帯損傷 ―― ハムストリングス
  4. 4. 反復性膝蓋骨脱臼 ―― 大腿四頭筋
  5. 5. 前距腓靱帯損傷 ―― 腓骨筋

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 膝関節後十字靱帯損傷とハムストリングス

設問は「誤っている組合せ」を問うています。後十字靱帯(PCL)は脛骨の後方移動を制動する靱帯ですが、ハムストリングスは収縮すると脛骨を後方に引くため損傷部位への負荷が増します。PCL損傷では大腿四頭筋を強化するのが正解です。


【各選択肢の解説】

1. 肩関節前方脱臼 ―― 肩関節内旋筋
✅ 正しい。前方脱臼は肩関節外転・外旋位で生じるため、肩甲下筋など内旋筋群を強化して前方への制動力を高める。
2. 肘関節内側側副靱帯損傷 ―― 手関節屈筋
✅ 正しい。上腕骨内側上顆から起こる前腕屈筋回内筋群を強化すると、外反ストレスに対する動的な内側支持となる。投球障害肘の基本。
3. 膝関節後十字靱帯損傷 ―― ハムストリングス
❌ 誤り。ハムストリングスの収縮は脛骨を後方へ引き、PCLの役割を肩代わりするどころか損傷部に負荷をかける。強化すべきは大腿四頭筋。なお前十字靱帯(ACL)損傷ではハムストリングスを強化するので、両者を取り違えないこと。
4. 反復性膝蓋骨脱臼 ―― 大腿四頭筋
✅ 正しい。とくに内側広筋(斜走線維VMO)を強化し、膝蓋骨が外側へ偏位するのを防ぐ。
5. 前距腓靱帯損傷 ―― 腓骨筋
✅ 正しい。前距腓靱帯は足関節内反捻挫で最も損傷しやすい。外反作用をもつ長・短腓骨筋を強化し、内反ストレスに対する動的制動を高める。

【試験対策ポイント】

膝の十字靱帯は方向で覚えます。ACL=脛骨の前方移動を制動→ハムストリングス強化・大腿四頭筋の単独伸展運動(オープンキネティックチェーン)は慎重にPCL=脛骨の後方移動を制動→大腿四頭筋強化。テストもACLはLachman・前方引き出し、PCLは後方引き出し・sagging徴候と対になっています。

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