第47回 理学療法士国家試験 午前 第35問
整形外科疾患理学療法第47回午前
第47回 理学療法士国家試験 午前 第35問(整形外科疾患理学療法)の正答は 1 です。野球肘(内側型)は投球時に肘へ加わる強い外反ストレスにより、内側側副靱帯(MCL)や内側上顆に負担がかかる障害です。
問題
野球肘と診断された患者が、スポーツ復帰を目指して、外反ストレスに対する肘関節保護を目的とした筋力訓練を行うことになった。対象とすべき筋はどれか。
- 1. 尺側手根屈筋 ✓
- 2. 橈側手根伸筋
- 3. 腕橈骨筋
- 4. 円回内筋
- 5. 指伸筋
正答:1番
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解説
■ 正答:1番 — 尺側手根屈筋
野球肘(内側型)は投球時に肘へ加わる強い外反ストレスにより、内側側副靱帯(MCL)や内側上顆に負担がかかる障害です。この外反ストレスを動的に制動する(靱帯の負担を肩代わりする)のが、内側上顆を起始として肘内側を走る尺側手根屈筋で、なかでもMCLの直上を走行する尺側手根屈筋の寄与が最も大きいとされています。
【各選択肢の解説】
1. 尺側手根屈筋
✅ 正しい。内側上顆から起こり、内側側副靱帯を覆うように走行するため、収縮によって外反を制動する動的スタビライザーとして働きます。浅指屈筋とともに野球肘の筋力訓練の主対象です。
✅ 正しい。内側上顆から起こり、内側側副靱帯を覆うように走行するため、収縮によって外反を制動する動的スタビライザーとして働きます。浅指屈筋とともに野球肘の筋力訓練の主対象です。
2. 橈側手根伸筋
❌ 誤り。外側上顆から起始する伸筋群で、肘の外側を走行するため外反ストレスの制動には寄与しません。この筋群の使いすぎは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因になります。
❌ 誤り。外側上顆から起始する伸筋群で、肘の外側を走行するため外反ストレスの制動には寄与しません。この筋群の使いすぎは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因になります。
3. 腕橈骨筋
❌ 誤り。上腕骨外側顆上稜から起こり橈骨遠位に停止する肘屈筋で、肘外側を通るため外反制動作用はありません。
❌ 誤り。上腕骨外側顆上稜から起こり橈骨遠位に停止する肘屈筋で、肘外側を通るため外反制動作用はありません。
4. 円回内筋
❌ 誤り。内側上顆から起始する点は共通ですが、走行が前腕を斜めに横切って橈骨に向かうためMCLに沿っておらず、外反制動への寄与は尺側手根屈筋より小さいとされます。
❌ 誤り。内側上顆から起始する点は共通ですが、走行が前腕を斜めに横切って橈骨に向かうためMCLに沿っておらず、外反制動への寄与は尺側手根屈筋より小さいとされます。
5. 指伸筋
❌ 誤り。外側上顆起始の伸筋群であり、肘内側の安定化には関与しません。
❌ 誤り。外側上顆起始の伸筋群であり、肘内側の安定化には関与しません。
【試験対策ポイント】
野球肘は「どこにどんなストレスがかかるか」で整理します。
| 部位 | ストレス | 代表的病態 | 好発 |
|---|---|---|---|
| 内側 | 牽引(外反による引き離し) | 内側側副靱帯損傷、内側上顆裂離骨折 | 成長期・成人 |
| 外側 | 圧迫(骨同士が押しつけられる) | 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎 | 少年期(10〜12歳) |
| 後方 | 伸展時の衝突 | 肘頭疲労骨折、後方インピンジメント | 成人 |
投球動作で外反ストレスが最大になるのはコッキング後期〜加速期です。復帰にはフォーム修正(肘下がりの是正)・肩甲帯や体幹・下肢の柔軟性改善・投球数制限といった全身的アプローチも必須で、前腕屈筋回内筋群の強化と併せて指導します。
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