PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第58問

整形外科疾患理学療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第58問(整形外科疾患理学療法)の正答は 2・3 です。熱傷後の拘縮は、瘢痕が縮む方向に関節が引き込まれて起こります。

問題
熱傷部位と拘縮予防肢位との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 前頸部 ―― 頸部屈曲位
  2. 2. 腋窩部 ―― 肩関節外転位
  3. 3. 手背部 ―― MP関節屈曲位
  4. 4. 大腿後面 ―― 膝関節屈曲位
  5. 5. 足関節部 ―― 足関節底屈位

正答:2・3番

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解説
■ 正答:2・3番 — 腋窩部と肩関節外転位/手背部とMP関節屈曲位

熱傷後の拘縮は、瘢痕が縮む方向に関節が引き込まれて起こります。したがって予防肢位は「熱傷した皮膚が引き伸ばされる方向」に取るのが原則です。腋窩部熱傷では肩関節外転位、手背部熱傷ではMP屈曲・IP伸展位(intrinsic plus position)が正解です。


【各選択肢の解説】

1. 前頸部 ―― 頸部屈曲位
❌ 誤り。前頸部の瘢痕が縮むと頸部は屈曲位に引き込まれるため、予防肢位は頸部伸展位。枕を外し、肩甲骨の下に小枕を入れて頸部を軽度伸展させる。
2. 腋窩部 ―― 肩関節外転位
✅ 正しい。腋窩の瘢痕拘縮は上肢の内転・下垂を招くため、肩関節外転90〜120°(軽度水平屈曲)で保持する。ギャッチアップやクッション、外転装具を用いる。
3. 手背部 ―― MP関節屈曲位
✅ 正しい。手背熱傷では伸筋腱側の瘢痕でMP伸展・IP屈曲の鉤爪変形になりやすいため、MP屈曲70〜90°・IP伸展位・母指外転位(安全肢位)で固定する。
4. 大腿後面 ―― 膝関節屈曲位
❌ 誤り。大腿後面〜膝窩の瘢痕は膝屈曲拘縮を招くので、予防肢位は膝関節伸展位
5. 足関節部 ―― 足関節底屈位
❌ 誤り。底屈位は尖足拘縮そのもの。足関節背屈0°(中間位)をフットボードやシーネで保持する。

【試験対策ポイント】

熱傷の良肢位(抗拘縮肢位)は部位ごとに丸暗記が効きます。

熱傷部位拘縮予防肢位
前頸部頸部伸展位
腋窩部肩関節外転90〜120度
肘窩部肘関節伸展・前腕回外位
手背部MP屈曲70〜90度・IP伸展・母指外転
手掌部手指・手関節伸展位
股関節前面股関節伸展・軽度外転位
膝窩・大腿後面膝関節伸展位
足関節部背屈0度(中間位)

「関節の一般的な良肢位」とは異なる(熱傷では屈曲側熱傷なら伸展位、伸展側熱傷なら屈曲位)点が最大の注意点です。

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