PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第20問

整形外科疾患理学療法第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第20問(整形外科疾患理学療法)の正答は 2 です。図では、身体前面は頸部前面から胸腹部、および両肩から上腕(半袖状)にⅡ度熱傷があり、背面は両膝窩を横切る帯状の熱傷が示されています。

問題
44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
第45回午後第20問 図
  1. 1. 頸部:中間位
  2. 2. 肩関節:外転位
  3. 3. 右前腕:回内位
  4. 4. 体幹:軽度屈曲位
  5. 5. 膝関節:軽度屈曲位

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 肩関節:外転位

図では、身体前面は頸部前面から胸腹部、および両肩から上腕(半袖状)にⅡ度熱傷があり、背面は両膝窩を横切る帯状の熱傷が示されています。熱傷の肢位管理(抗拘縮肢位)の原則は、瘢痕が拘縮していく方向と反対の伸張位に保持することです。腋窩から体幹側面にかけての熱傷では肩が内転位に拘縮しやすいため、約90°の外転位に保持します。


【各選択肢の解説】

1. 頸部:中間位
❌ 誤り。頸部前面に熱傷があるため屈曲拘縮を生じやすく、伸展位(軽度後屈)に保持します。中間位では拘縮予防に不十分です。
2. 肩関節:外転位
✅ 正しい。腋窩・体幹側面の熱傷では肩関節が内転位に拘縮しやすいため、約90°外転(やや水平伸展を加える)位に保持します。
3. 右前腕:回内位
❌ 誤り。前腕は回外位に保持します。回内位で固定すると回内拘縮を招き、食事や洗顔などのADLに支障をきたします。
4. 体幹:軽度屈曲位
❌ 誤り。体幹前面(胸腹部)の熱傷では屈曲拘縮を生じやすいため、伸展位に保持します。
5. 膝関節:軽度屈曲位
❌ 誤り。図では膝窩(後面)に熱傷があるため屈曲拘縮を生じやすく、伸展位に保持します。

【試験対策ポイント】

熱傷の良肢位(抗拘縮肢位)は、「熱傷面を伸ばす向き」という一本の原則で覚えます。

熱傷部位保持すべき肢位
頸部前面伸展位(軽度後屈)
腋窩・肩外転90°、軽度水平伸展
肘前面伸展位
前腕回外位
手背MP屈曲70〜90°・IP伸展・母指外転(内在筋プラス肢位)
体幹前面伸展位
股関節伸展・軽度外転位
膝窩伸展位
足関節背屈0°(尖足予防)

熱傷の深達度も併せて確認します。Ⅰ度=表皮(発赤)/浅達性Ⅱ度=水疱・強い疼痛・瘢痕を残さず治癒/深達性Ⅱ度=知覚鈍麻・瘢痕を残す/Ⅲ度=白色〜褐色・無痛・植皮が必要。Ⅱ度以上では肥厚性瘢痕による拘縮予防が理学療法の最重要課題となり、良肢位保持・可動域訓練・圧迫療法を早期から行います。

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