第44回 理学療法士国家試験 午前 第62問
神経内科学第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第62問(神経内科学)の正答は 2 です。顔面神経核は橋にあります。
問題
顔面筋麻痺について正しいのはどれか。
- 1. 片側大脳病変では前頭筋麻痺が生じる。
- 2. 片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。 ✓
- 3. 片側延髄下部病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
- 4. 大脳病変では電気治療が有効である。
- 5. 末梢性病変では顔面筋全体の同時収縮を促すように電気治療を行う。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
顔面神経核は橋にあります。橋の病変は顔面神経核ないし核から出た線維(核・核下性)を障害するため、病巣と同側の顔面筋が上下とも麻痺します(末梢性顔面神経麻痺と同じ型)。橋病変では外転神経核も近接するため、同側の外転神経麻痺を伴うことがあります。
【各選択肢の解説】
1. 片側大脳病変では前頭筋麻痺が生じる。
❌ 誤り。前頭筋など上部顔面筋は左右両側の大脳皮質から支配されるため、片側大脳病変(中枢性麻痺)では額のしわ寄せと閉眼は保たれ、口角下垂など下部顔面筋のみ麻痺します。
❌ 誤り。前頭筋など上部顔面筋は左右両側の大脳皮質から支配されるため、片側大脳病変(中枢性麻痺)では額のしわ寄せと閉眼は保たれ、口角下垂など下部顔面筋のみ麻痺します。
2. 片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
✅ 正しい。顔面神経核は橋にあり、核・核下性障害となるため同側の顔面筋全体が麻痺します。
✅ 正しい。顔面神経核は橋にあり、核・核下性障害となるため同側の顔面筋全体が麻痺します。
3. 片側延髄下部病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
❌ 誤り。延髄下部に顔面神経核はありません。延髄外側症候群(Wallenberg症候群)では顔面の感覚障害(三叉神経脊髄路核)は出ますが、顔面筋麻痺は原則生じません。
❌ 誤り。延髄下部に顔面神経核はありません。延髄外側症候群(Wallenberg症候群)では顔面の感覚障害(三叉神経脊髄路核)は出ますが、顔面筋麻痺は原則生じません。
4. 大脳病変では電気治療が有効である。
❌ 誤り。中枢性麻痺では末梢神経・筋に変性がないため、電気刺激による変性予防の意義がありません。電気治療の適応は末梢性(変性のある)麻痺です。
❌ 誤り。中枢性麻痺では末梢神経・筋に変性がないため、電気刺激による変性予防の意義がありません。電気治療の適応は末梢性(変性のある)麻痺です。
5. 末梢性病変では顔面筋全体の同時収縮を促すように電気治療を行う。
❌ 誤り。顔面筋をまとめて収縮させると病的共同運動(synkinesis)を助長します。個々の表情筋を選択的に収縮させる練習を行います。
❌ 誤り。顔面筋をまとめて収縮させると病的共同運動(synkinesis)を助長します。個々の表情筋を選択的に収縮させる練習を行います。
【試験対策ポイント】
顔面神経麻痺の中枢性と末梢性の鑑別は毎年狙われます。
| 項目 | 中枢性(核上性) | 末梢性(核・核下性) |
|---|---|---|
| 病巣 | 大脳・内包など | 橋の顔面神経核以下 |
| 麻痺の側 | 病巣の反対側 | 病巣と同側 |
| 額のしわ寄せ | 可能(保たれる) | 不能 |
| 閉眼 | 可能 | 不能(兎眼・Bell現象) |
| 味覚・聴覚過敏 | なし | あることが多い |
| 電気治療 | 適応なし | 適応あり |
「額が動くかどうか」で中枢性か末梢性かを判定するのが鉄則です。
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