PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第64問

神経疾患理学療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第64問(神経疾患理学療法)の正答は 2 です。Parkinson病のすくみ足は、内的な運動開始(自発的な運動プログラム)の障害によって生じます。

問題
Parkinson病患者の理学療法で正しいのはどれか。
  1. 1. 安静時振戦にはPNFが適応となる。
  2. 2. すくみ足には外的リズム刺激が有効である。
  3. 3. 無動が強い時期には立位でのバランス練習を行う。
  4. 4. 幻覚が出現している時期には理学療法は行わない。
  5. 5. 症候性の夜間頻回覚醒は日中の活動を促すことで改善がみられる。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — すくみ足には外的リズム刺激が有効である。

Parkinson病のすくみ足は、内的な運動開始(自発的な運動プログラム)の障害によって生じます。そこでメトロノームや号令などの聴覚刺激、床の横線や目印をまたがせる視覚刺激といった外部からのリズム・手がかり(キュー、cueing)を与えると、大脳基底核を介さない経路で運動が誘発され、歩行が改善します。


【各選択肢の解説】

1. 安静時振戦にはPNFが適応となる。
❌ 誤り。PNF(固有受容性神経筋促通法)は筋力・協調性の改善が目的で、Parkinson病の安静時振戦を軽減する手技ではありません。振戦は薬物療法が中心です。
2. すくみ足には外的リズム刺激が有効である。
✅ 正しい。聴覚(メトロノーム・号令)や視覚(床のライン・杖の目印)のキューでリズムを与えると、すくみが解除され歩幅も拡大します。
3. 無動が強い時期には立位でのバランス練習を行う。
❌ 誤り。無動が強い時期(オフ期)は姿勢反射障害も強く転倒の危険が高いため、座位や支持物のある安全な条件で行います。バランス練習は薬効が出ているオン期に実施します。
4. 幻覚が出現している時期には理学療法は行わない。
❌ 誤り。幻覚は抗Parkinson病薬の副作用として生じることが多く、主治医への報告と薬剤調整が必要ですが、理学療法を中止する理由にはなりません。安全に配慮して継続します。
5. 症候性の夜間頻回覚醒は日中の活動を促すことで改善がみられる。
❌ 誤り。症候性(夜間の無動・寝返り困難・こわばり・夜間頻尿など症状そのものが原因)の覚醒は、日中の活動量を増やしても改善せず、夜間の薬物調整や寝具・環境調整が必要です。日中活動で改善が期待できるのは昼夜逆転など非症候性の不眠です。

【試験対策ポイント】

Parkinson病の理学療法のキーワードは外的キュー(cueing)・大きな動作・リズムの3つです。

  • 聴覚キュー:メトロノーム、号令、音楽(1、2、1、2)
  • 視覚キュー:床の横線、レーザーポインタ付き杖、足元の目印をまたぐ
  • 体性感覚キュー:一歩目を後ろに引いてから踏み出す、その場足踏みから開始
重症度はHoehn & Yahr分類(1〜5度)で評価し、3度(姿勢反射障害の出現)から介護保険の特定疾病・転倒予防が重要になります。運動は薬効のあるオン期に行うのが原則です。

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