第46回 理学療法士国家試験 午後 第12問
神経疾患理学療法第46回午後
第46回 理学療法士国家試験 午後 第12問(神経疾患理学療法)の正答は 2 です。発症から3年が経過していますが事務職を継続できており、新たに出現した問題は「数か月前からの前傾姿勢」です。
問題
56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。
- 1. リズム音を用いた歩行訓練
- 2. 体幹筋のストレッチ訓練 ✓
- 3. 呼吸リハビリテーション
- 4. 下肢の筋力増強訓練
- 5. 環境整備
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 体幹筋のストレッチ訓練
発症から3年が経過していますが事務職を継続できており、新たに出現した問題は「数か月前からの前傾姿勢」です。Parkinson病では屈筋優位の筋強剛によって体幹の前屈が進み、放置すると腰曲がり(camptocormia)や脊柱変形として固定してしまいます。姿勢異常が出はじめた今の段階では、体幹伸展方向の可動性と柔軟性を保つストレッチが最優先となります。
【各選択肢の解説】
1. リズム音を用いた歩行訓練
❌ 誤り。メトロノームなどの外的手がかりはすくみ足・小刻み歩行が出現してから有効になる手法。本例には歩行障害の記載がなく、現時点の優先課題ではない。
❌ 誤り。メトロノームなどの外的手がかりはすくみ足・小刻み歩行が出現してから有効になる手法。本例には歩行障害の記載がなく、現時点の優先課題ではない。
2. 体幹筋のストレッチ訓練
✅ 正しい。出現しはじめた前傾姿勢に対し、体幹の伸展可動域と柔軟性を維持することが最も優先される。固定してからでは改善が難しい。
✅ 正しい。出現しはじめた前傾姿勢に対し、体幹の伸展可動域と柔軟性を維持することが最も優先される。固定してからでは改善が難しい。
3. 呼吸リハビリテーション
❌ 誤り。呼吸機能低下や誤嚥性肺炎は進行期(Hoehn&YahrⅣ〜Ⅴ)の課題。現時点の主問題ではない。
❌ 誤り。呼吸機能低下や誤嚥性肺炎は進行期(Hoehn&YahrⅣ〜Ⅴ)の課題。現時点の主問題ではない。
4. 下肢の筋力増強訓練
❌ 誤り。Parkinson病の動作障害の主因は筋力低下ではなく無動・筋強剛・姿勢反射障害。廃用が進行する前の段階で最優先とはならない。
❌ 誤り。Parkinson病の動作障害の主因は筋力低下ではなく無動・筋強剛・姿勢反射障害。廃用が進行する前の段階で最優先とはならない。
5. 環境整備
❌ 誤り。就労を継続でき転倒の記載もない。手すり設置などの住宅改修は姿勢反射障害・転倒が出現してから検討する。
❌ 誤り。就労を継続でき転倒の記載もない。手すり設置などの住宅改修は姿勢反射障害・転倒が出現してから検討する。
【試験対策ポイント】
Hoehn&Yahr重症度分類と、その時期に何を優先するかを対応させて覚える。
| 分類 | 症状 | 理学療法の主眼 |
|---|---|---|
| Ⅰ度 | 一側性のみ、機能障害は軽微 | 運動習慣の確立・柔軟性の維持 |
| Ⅱ度 | 両側性、姿勢反射障害なし | 前傾姿勢の予防・体幹ストレッチ・大きな動作の練習 |
| Ⅲ度 | 姿勢反射障害あり、日常生活は自立 | バランス練習・外的手がかりによるすくみ足対策・転倒予防 |
| Ⅳ度 | 起立・歩行に介助が必要 | 移乗・ADL練習、環境整備 |
| Ⅴ度 | 車椅子・臥床 | 拘縮・呼吸器合併症の予防 |
本例は両側性で姿勢異常が出はじめた段階=Ⅱ〜Ⅲ度相当。この種の問題は「まだ何が起きていないか」を問題文から読み取ることが解答の鍵になる。
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