PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第68問

神経内科学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第68問(神経内科学)の正答は 1 です。異所性骨化は本来骨のない軟部組織に骨が形成される病態で、脊髄損傷では受傷後1〜4か月に好発します。

問題
脊髄損傷の異所性骨化で正しいのはどれか。
  1. 1. 関節周囲に熱感が生じる。
  2. 2. 麻痺域の小関節に好発する。
  3. 3. 血清カルシウム値が上昇する。
  4. 4. 発生すれば関節可動域運動を中止する。
  5. 5. 血清アルカリフォスファターゼ値が低下する。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 関節周囲に熱感が生じる。

異所性骨化は本来骨のない軟部組織に骨が形成される病態で、脊髄損傷では受傷後1〜4か月に好発します。初期症状は関節周囲の発赤・腫脹・熱感・可動域制限で、深部静脈血栓症や蜂窩織炎との鑑別が問題になります。


【各選択肢の解説】

1. 関節周囲に熱感が生じる。
✅ 正しい。局所の炎症所見(熱感・腫脹・発赤)と関節可動域制限が初発徴候です。
2. 麻痺域の小関節に好発する。
❌ 誤り。股関節が最多で、次いで膝・肘・肩といった大関節の麻痺域に好発します。手指などの小関節にはまれです。
3. 血清カルシウム値が上昇する。
❌ 誤り。血清カルシウム値は通常正常です。上昇するのは血清アルカリフォスファターゼ(ALP)で、早期診断の指標になります。
4. 発生すれば関節可動域運動を中止する。
❌ 誤り。完全に中止すると関節強直を招きます。疼痛の出ない範囲で愛護的に関節可動域運動を継続するのが原則で、強い他動的伸張(過度なストレッチ)は骨化を助長するため避けます。
5. 血清アルカリフォスファターゼ値が低下する。
❌ 誤り。骨形成が活発になるためALPは上昇します。低下は誤りです。

【試験対策ポイント】

異所性骨化の要点を整理します。

項目内容
好発時期受傷後1〜4か月(急性期を過ぎた頃)
好発部位股関節が最多、次いで膝・肘・肩(麻痺域の大関節)
症状発赤・腫脹・熱感・関節可動域制限・微熱
血液検査ALP上昇、CRP上昇。カルシウムは正常
画像単純X線での描出は数週遅れる。早期は骨シンチが有用
対応愛護的な関節可動域運動は継続、過度な他動伸張は禁物。薬物(NSAIDs等)、進行例は手術

脊髄損傷・頭部外傷・熱傷・人工股関節術後で起こりやすいことも合わせて覚えます。

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