PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第69問

神経内科学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第69問(神経内科学)の正答は 2・5 です。頸髄損傷では脊髄ショックを脱すると核上型(上位運動ニューロン型・反射性)膀胱となり、排尿反射が回復します。

問題
頸髄損傷患者の排尿障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 排尿反射は下肢の反射よりも早く回復する。
  2. 2. 冷水テスト陽性は排尿訓練開始の目安になる。
  3. 3. 手圧排尿訓練には安定した座位保持能力が必要である。
  4. 4. 残尿が150 mLであれば間欠的導尿は行わない。
  5. 5. トリガーポイントの叩打による反射排尿を指導する。

正答:2・5番

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解説
■ 正答:2・5番 — 冷水テスト陽性は排尿訓練開始の目安になる/トリガーポイントの叩打による反射排尿を指導する

頸髄損傷では脊髄ショックを脱すると核上型(上位運動ニューロン型・反射性)膀胱となり、排尿反射が回復します。冷水テスト陽性はその回復のサインで排尿訓練開始の目安となり、恥骨上部などのトリガーポイント叩打による反射排尿が誘発できるようになります。


【各選択肢の解説】

1. 排尿反射は下肢の反射よりも早く回復する。
❌ 誤り。脊髄ショックからの回復は、球海綿体反射や下肢の深部腱反射などの体性反射が先に戻り、排尿反射の回復はそれより遅れます
2. 冷水テスト陽性は排尿訓練開始の目安になる。
✅ 正しい。膀胱内に冷水を注入して排出(反射性収縮)がみられれば核上型膀胱=排尿反射の回復を示し、反射性排尿訓練を開始できます。
3. 手圧排尿訓練には安定した座位保持能力が必要である。
❌ 誤り。手圧排尿(Credé法)は下腹部を用手的に圧迫する方法で、背臥位でも実施可能です。安定した座位保持能力が必須条件ではありません。なお核上型膀胱では括約筋協調不全があるため手圧排尿はむしろ避けられます。
4. 残尿が150 mLであれば間欠的導尿は行わない。
❌ 誤り。残尿量の目安は100 mL以下(施設によっては50〜100 mL)です。150 mLの残尿は尿路感染や膀胱尿管逆流の原因になるため、間欠的導尿を継続します。
5. トリガーポイントの叩打による反射排尿を指導する。
✅ 正しい。恥骨上部・下腹部・大腿内側などの叩打・擦過で排尿反射を誘発する方法で、核上型膀胱に対して用います。

【試験対策ポイント】

脊髄損傷の膀胱障害は損傷レベルで型が変わります。

損傷レベル特徴排尿管理
核上型(反射性)仙髄より上位(頸髄・胸髄)排尿反射あり、無抑制収縮、括約筋協調不全トリガー叩打による反射排尿、間欠導尿
核・核下型(弛緩性)仙髄(S2〜S4)・馬尾排尿反射消失、膀胱は弛緩し貯留間欠導尿、手圧排尿(Credé法)

管理の第一選択は清潔間欠導尿で、残尿100 mL以下を目標にします。尿路感染・水腎症の予防が生命予後に直結する点も重要です。

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