第44回 理学療法士国家試験 午前 第78問
内部障害理学療法第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第78問(内部障害理学療法)の正答は 5 です。自宅療養期(回復期後期〜維持期)の運動療法は、患者自身が安全に運動量を管理できることが要点です。
問題
急性心筋梗塞患者の自宅療養期の運動療法で正しいのはどれか。
- 1. 心筋負荷量設定には拡張期血圧が良い指標となる。
- 2. この時期の運動療法によって壊死部の再生が期待できる。
- 3. 運動強度は最大心拍数のおよそ30 %が適している。
- 4. 下肢の筋力強化は静的収縮の多い種目を選ぶ。
- 5. 散歩は時間と速度とを決めて行う。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 散歩は時間と速度とを決めて行う。
自宅療養期(回復期後期〜維持期)の運動療法は、患者自身が安全に運動量を管理できることが要点です。散歩は時間と速度をあらかじめ決めて行うことで運動強度を一定に保て、過負荷を防ぎながら習慣化できます。
【各選択肢の解説】
1. 心筋負荷量設定には拡張期血圧が良い指標となる。
❌ 誤り。心筋酸素消費量の指標は二重積(心拍数×収縮期血圧)です。拡張期血圧は運動中あまり変化せず、負荷量設定の指標には適しません。
❌ 誤り。心筋酸素消費量の指標は二重積(心拍数×収縮期血圧)です。拡張期血圧は運動中あまり変化せず、負荷量設定の指標には適しません。
2. この時期の運動療法によって壊死部の再生が期待できる。
❌ 誤り。壊死した心筋は再生せず線維化(瘢痕化)します。運動療法の効果は末梢の骨格筋・血管機能の改善、冠危険因子の是正、心理面の改善などであり、壊死心筋の再生ではありません。
❌ 誤り。壊死した心筋は再生せず線維化(瘢痕化)します。運動療法の効果は末梢の骨格筋・血管機能の改善、冠危険因子の是正、心理面の改善などであり、壊死心筋の再生ではありません。
3. 運動強度は最大心拍数のおよそ30 %が適している。
❌ 誤り。30%は低すぎてトレーニング効果が得られません。一般に最大心拍数の60〜80%、または予備心拍数(Karvonen法)の40〜60%、Borg指数11〜13が目安です。
❌ 誤り。30%は低すぎてトレーニング効果が得られません。一般に最大心拍数の60〜80%、または予備心拍数(Karvonen法)の40〜60%、Borg指数11〜13が目安です。
4. 下肢の筋力強化は静的収縮の多い種目を選ぶ。
❌ 誤り。等尺性(静的)収縮は息こらえを伴いやすく、血圧が急上昇して後負荷が増大するため不適です。動的(等張性)運動を主体とし、低負荷・高反復で行います。
❌ 誤り。等尺性(静的)収縮は息こらえを伴いやすく、血圧が急上昇して後負荷が増大するため不適です。動的(等張性)運動を主体とし、低負荷・高反復で行います。
5. 散歩は時間と速度とを決めて行う。
✅ 正しい。運動強度を一定に管理でき、自己管理しやすい方法です。
✅ 正しい。運動強度を一定に管理でき、自己管理しやすい方法です。
【試験対策ポイント】
心筋梗塞後の運動療法で必ず押さえる数値と概念です。
- 二重積(rate pressure product)=心拍数 × 収縮期血圧。心筋酸素消費量の指標。二重積屈曲点(DPBP)以下で運動する
- 運動強度:Karvonen法 k=0.4〜0.6(心筋梗塞後は低め)、Borg 11〜13、最大酸素摂取量の40〜60%
- 運動様式:等張性(動的)運動が主。強い等尺性運動・息こらえ(Valsalva)は禁忌
- 中止基準:胸痛・強い息切れ・めまい・冷汗、心拍数が安静時+30/分以上の上昇、収縮期血圧の20 mmHg以上の低下、危険な不整脈の出現、ST低下1 mm以上
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