PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第77問

内部障害理学療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第77問(内部障害理学療法)の正答は 2・4 です。COPDでは肺が過膨張して横隔膜が平低化し、呼吸補助筋に頼った浅く速い呼吸になります。

問題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の腹式呼吸の目的で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 補助筋の筋力増強
  2. 2. 1回換気量の増加
  3. 3. 機能的残気量の増加
  4. 4. 横隔膜の上方移動拡大
  5. 5. 呼気時の気道内圧低下

正答:2・4番

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解説
■ 正答:2・4番 — 1回換気量の増加/横隔膜の上方移動拡大

COPDでは肺が過膨張して横隔膜が平低化し、呼吸補助筋に頼った浅く速い呼吸になります。腹式(横隔膜)呼吸の目的は、呼気時に腹筋を使って横隔膜を上方へ十分に押し上げ、次の吸気で横隔膜の下降幅を確保することで、1回換気量を増やして呼吸数を減らす(効率のよい換気にする)ことです。


【各選択肢の解説】

1. 補助筋の筋力増強
❌ 誤り。腹式呼吸は胸鎖乳突筋や斜角筋などの呼吸補助筋の過剰な使用を減らすことが狙いです。補助筋の筋力増強は目的ではありません。
2. 1回換気量の増加
✅ 正しい。1回換気量を増やし呼吸数を減らすことで、死腔換気の割合を下げて肺胞換気量を増加させます。
3. 機能的残気量の増加
❌ 誤り。COPDでは肺の過膨張により機能的残気量(FRC)や残気量がすでに増加しています。腹式呼吸や口すぼめ呼吸はこれを減らす方向に働かせるのが目的です。
4. 横隔膜の上方移動拡大
✅ 正しい。呼気時に横隔膜が上方へ移動する範囲を広げることで、横隔膜の可動域(収縮効率)が改善します。
5. 呼気時の気道内圧低下
❌ 誤り。COPDでは呼気時に気道が虚脱するため、口すぼめ呼吸で気道内圧を高く保って虚脱を防ぐ必要があります。気道内圧を下げるのは逆効果です。

【試験対策ポイント】

COPDの呼吸理学療法の柱を整理します。

  • 口すぼめ呼吸:呼気時の気道内圧を高め、末梢気道の虚脱(動的圧迫)を防いで呼出を助ける。吸気:呼気=1:2〜1:4
  • 腹式(横隔膜)呼吸:1回換気量増加、呼吸数減少、呼吸仕事量の軽減、補助筋の過剰使用の抑制
  • 前傾姿勢:横隔膜が働きやすく、呼吸困難が軽減する(テーブルに肘をつく姿勢)
  • ADL指導:上肢挙上動作・息こらえを伴う動作(洗髪、かぶり服の着脱、排便)で呼吸困難が強まるため、動作と呼吸を合わせる指導を行う
COPDの検査所見は1秒率(FEV1/FVC)70%未満(閉塞性障害)、残気量・機能的残気量の増加、肺拡散能低下(肺気腫)。拘束性障害(%肺活量80%未満)との区別も頻出です。

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