PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第96問

運動療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第96問(運動療法)の正答は 5 です。遠心性(伸張性)収縮では、少ない運動単位で大きな張力を負担するため筋線維やZ帯に微小損傷が生じやすく、遅発性筋痛(DOMS)の主因となります。

問題
筋力増強法の原則について正しいのはどれか。
  1. 1. 筋力増強初期の効果は筋肥大によって起こる。
  2. 2. 等尺性運動では最大筋力の80 %以上の負荷量を必要とする。
  3. 3. 筋収縮速度の違いにかかわらず筋力増強効果は一定である。
  4. 4. DeLormeの漸増抵抗運動では1 RMの50 %以上の負荷量から始める。
  5. 5. 過負荷による筋損傷は求心性よりも遠心性の収縮で起こりやすい。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 過負荷による筋損傷は求心性よりも遠心性の収縮で起こりやすい。

遠心性(伸張性)収縮では、少ない運動単位で大きな張力を負担するため筋線維やZ帯に微小損傷が生じやすく、遅発性筋痛(DOMS)の主因となります。同じ負荷なら求心性収縮より筋損傷のリスクが高いことは筋力増強法の基本事項です。


【各選択肢の解説】

1. 筋力増強初期の効果は筋肥大によって起こる。
❌ 誤り。開始後4週程度までの筋力増加は神経性因子(運動単位の動員数増加・発火頻度増加・同期化)が主で、筋肥大が現れるのは4〜6週以降です。
2. 等尺性運動では最大筋力の80 %以上の負荷量を必要とする。
❌ 誤り。Hettingerらの報告では最大筋力の40〜60%程度を数秒間保持すれば筋力増強が得られるとされ、80%以上は必須ではありません。
3. 筋収縮速度の違いにかかわらず筋力増強効果は一定である。
❌ 誤り。速度特異性があり、訓練した速度域で最も効果が出ます。低速訓練は低速域、高速訓練は高速域で効果が高くなります。
4. DeLormeの漸増抵抗運動では1 RMの50 %以上の負荷量から始める。
❌ 誤り。DeLorme法の基準は10RMです。10RMの50%×10回 → 75%×10回 → 100%×10回と漸増します。1RM基準ではありません。
5. 過負荷による筋損傷は求心性よりも遠心性の収縮で起こりやすい。
✅ 正しい。遠心性収縮は筋損傷・遅発性筋痛を生じやすい収縮様式です。

【試験対策ポイント】

  • 過負荷の原則:日常より強い負荷でなければ筋力は増えない。特異性の原則:訓練した様式・速度・角度で効果が出る
  • DeLorme法=10RMの50%→75%→100%と漸増(ウォームアップ的)。Oxford法=100%→75%→50%と漸減
  • 等尺性運動:関節運動を伴わないため術後・疼痛期に有用だが、血圧上昇(Valsalva)に注意。訓練した角度でしか効果が出ない(角度特異性)
  • 遠心性収縮=最も大きな張力を発揮できるが筋損傷も最大。DOMSは運動後24〜48時間でピーク
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