PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第6問

運動療法第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第6問(運動療法)の正答は 3 です。図3は端座位で膝を屈曲したまま、タオル(帯)で前足部を手前に引いて足関節を背屈させています。

問題
右下肢筋の伸張運動を行う際に、運動方法と伸張される筋の組合せで正しいのはどれか。
第47回午後第6問 図
  1. 1. 腸腰筋
  2. 2. 大腿筋膜張筋
  3. 3. ヒラメ筋
  4. 4. 腓腹筋
  5. 5. ハムストリングス

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — ヒラメ筋

図3は端座位で膝を屈曲したまま、タオル(帯)で前足部を手前に引いて足関節を背屈させています。膝屈曲位で足関節を背屈すると、二関節筋である腓腹筋は緩んで伸張されず、単関節筋のヒラメ筋だけが選択的に伸張されます。


【各選択肢の解説】

1. 腸腰筋
❌ 誤り。図1は腹臥位で一側下肢を台の縁から前下方に下ろした肢位で、股関節は屈曲位にある。腸腰筋を伸張するには股関節伸展が必要で、この肢位で伸張されるのは大殿筋・ハムストリングスである。
2. 大腿筋膜張筋
❌ 誤り。図2は後方の椅子に下腿を乗せた立位で、股関節伸展+膝屈曲=腸腰筋・大腿直筋の伸張肢位。大腿筋膜張筋の伸張には股関節の伸展+内転(Ober肢位)が必要である。
3. ヒラメ筋
✅ 正しい。膝屈曲位+足関節背屈により腓腹筋の影響を除き、ヒラメ筋を選択的に伸張できる。
4. 腓腹筋
❌ 誤り。図4は膝を軽度屈曲した立位体前屈で足に手を伸ばす肢位。ハムストリングス・脊柱起立筋の伸張であり、膝屈曲位では腓腹筋は緩む。
5. ハムストリングス
❌ 誤り。図5は壁に手をついて後方の脚の膝を伸ばし踵を床につける肢位で、膝伸展+足関節背屈=腓腹筋の伸張肢位である。

【試験対策ポイント】

下腿三頭筋のストレッチは膝の角度で使い分ける。腓腹筋は二関節筋なので膝伸展位+足関節背屈(壁に手をついて後脚を伸ばす)、ヒラメ筋は単関節筋なので膝屈曲位+足関節背屈(膝を曲げて踵を落とす)。膝を曲げると腓腹筋が緩むため、ヒラメ筋だけを狙える。

二関節筋の伸張は「またぐ2つの関節を同時に引き離す」のが原則。

  • ハムストリングス:股関節屈曲+膝伸展(SLR肢位)
  • 大腿直筋:股関節伸展+膝屈曲(Ely test肢位)
  • 大腿筋膜張筋・腸脛靱帯:股関節伸展+内転(Ober test肢位)
  • 腸腰筋:股関節伸展(Thomas test肢位)
図4と図5のように、見た目が似た肢位でも膝の角度ひとつで標的筋が入れ替わる点が狙われる。

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