第44回 理学療法士国家試験 午後 第49問
病理学概論第44回午後
第44回 理学療法士国家試験 午後 第49問(病理学概論)の正答は 4 です。有髄末梢神経を切断すると、切断部より末梢はWaller変性を起こしますが、中枢側でも切断部から1〜数髄鞘節にわたる逆行性(上行性)変性が生じます。
問題
有髄末梢神経切断後の変性について正しいのはどれか。
- 1. 切断部から末梢側の軸索の興奮性は切断4週後まで保たれる。
- 2. 切断部から末梢側の軸索の変性は最末端から中枢側へ進行する。
- 3. Schwann細胞の変性は切断部位に限局して生じる。
- 4. 切断部から中枢側への逆行性変性が出現する。 ✓
- 5. 変性後に再生する軸索にSchwann細胞は付着しない。
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 切断部から中枢側への逆行性変性が出現する。
有髄末梢神経を切断すると、切断部より末梢はWaller変性を起こしますが、中枢側でも切断部から1〜数髄鞘節にわたる逆行性(上行性)変性が生じます。さらに神経細胞体には中心性染色質融解(Nissl小体の消失)という反応が起こります。
【各選択肢の解説】
1. 切断部から末梢側の軸索の興奮性は切断4週後まで保たれる。
❌ 誤り。末梢側の軸索は切断後数日(おおむね2〜3日、長くても1週間程度)で伝導能を失います。神経伝導検査で末梢側の反応が残る時期は、まだ変性が完了していないことを意味します。
❌ 誤り。末梢側の軸索は切断後数日(おおむね2〜3日、長くても1週間程度)で伝導能を失います。神経伝導検査で末梢側の反応が残る時期は、まだ変性が完了していないことを意味します。
2. 切断部から末梢側の軸索の変性は最末端から中枢側へ進行する。
❌ 誤り。Waller変性は切断部から末梢へ向かって(順行性に)進行します。方向を逆にしたひっかけです。
❌ 誤り。Waller変性は切断部から末梢へ向かって(順行性に)進行します。方向を逆にしたひっかけです。
3. Schwann細胞の変性は切断部位に限局して生じる。
❌ 誤り。末梢側の全長にわたって髄鞘が崩壊し、Schwann細胞はむしろ増殖してBüngner帯(細胞索)を形成し、再生軸索を導きます。切断部に限局しません。
❌ 誤り。末梢側の全長にわたって髄鞘が崩壊し、Schwann細胞はむしろ増殖してBüngner帯(細胞索)を形成し、再生軸索を導きます。切断部に限局しません。
4. 切断部から中枢側への逆行性変性が出現する。
✅ 正しい。中枢側にも限られた範囲の変性が及びます。
✅ 正しい。中枢側にも限られた範囲の変性が及びます。
5. 変性後に再生する軸索にSchwann細胞は付着しない。
❌ 誤り。再生軸索はSchwann細胞のつくる管に沿って伸び、再髄鞘化されます。
❌ 誤り。再生軸索はSchwann細胞のつくる管に沿って伸び、再髄鞘化されます。
【試験対策ポイント】
神経損傷の分類(Seddon):①一過性伝導障害(neurapraxia)=髄鞘のみ・Waller変性なし・数日〜数週で完全回復、②軸索断裂(axonotmesis)=軸索は断裂するが神経内膜が保たれWaller変性後に再生可能、③神経断裂(neurotmesis)=連続性が絶たれ手術が必要。
再生速度は1日約1mmが目安で、損傷部位から目標筋までの距離で回復期間を予測します。理学療法では回復までの間、関節可動域の維持・変形予防・感覚脱失部の熱傷や褥瘡の予防が中心となり、Tinel徴候の移動で再生の進み具合を確認します。
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