第44回 理学療法士国家試験 午後 第50問
病理学概論第44回午後
第44回 理学療法士国家試験 午後 第50問(病理学概論)の正答は 2 です。加齢に伴う骨格筋の萎縮(サルコペニア)は、細胞・組織が正常な大きさや機能を保てなくなる退行性変化(変性・萎縮)に分類されます。
問題
加齢に伴う骨格筋の萎縮で正しいのはどれか。
- 1. 細胞のアポトーシスである。
- 2. 退行性変化の1つである。 ✓
- 3. 筋原性変化が特徴である。
- 4. 筋線維がマクロファージに貪食される。
- 5. 筋線維が結合組織に置換される。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 退行性変化の1つである。
加齢に伴う骨格筋の萎縮(サルコペニア)は、細胞・組織が正常な大きさや機能を保てなくなる退行性変化(変性・萎縮)に分類されます。萎縮とは、いったん正常な大きさまで発育した組織の容積が後天的に減少することを指します。
【各選択肢の解説】
1. 細胞のアポトーシスである。
❌ 誤り。萎縮は細胞の容積が縮小する現象であり、プログラムされた細胞死そのものではありません(加齢では筋線維数の減少も伴いますが、萎縮=アポトーシスとは言えません)。
❌ 誤り。萎縮は細胞の容積が縮小する現象であり、プログラムされた細胞死そのものではありません(加齢では筋線維数の減少も伴いますが、萎縮=アポトーシスとは言えません)。
2. 退行性変化の1つである。
✅ 正しい。加齢による生理的萎縮であり、退行性変化に含まれます。
✅ 正しい。加齢による生理的萎縮であり、退行性変化に含まれます。
3. 筋原性変化が特徴である。
❌ 誤り。加齢性の筋萎縮は運動単位(脊髄前角細胞)の脱落による神経原性変化が主体で、特に速筋(TypeII)線維が優位に萎縮します。筋原性変化が主体なのは筋ジストロフィーや炎症性筋疾患です。
❌ 誤り。加齢性の筋萎縮は運動単位(脊髄前角細胞)の脱落による神経原性変化が主体で、特に速筋(TypeII)線維が優位に萎縮します。筋原性変化が主体なのは筋ジストロフィーや炎症性筋疾患です。
4. 筋線維がマクロファージに貪食される。
❌ 誤り。筋壊死に伴う炎症細胞浸潤の所見で、多発性筋炎や筋ジストロフィーなど壊死を伴う筋疾患でみられます。
❌ 誤り。筋壊死に伴う炎症細胞浸潤の所見で、多発性筋炎や筋ジストロフィーなど壊死を伴う筋疾患でみられます。
5. 筋線維が結合組織に置換される。
❌ 誤り。線維化・脂肪組織への置換が目立つのは筋ジストロフィー(仮性肥大など)の特徴です。加齢では筋線維の数と横断面積の減少が主体です。
❌ 誤り。線維化・脂肪組織への置換が目立つのは筋ジストロフィー(仮性肥大など)の特徴です。加齢では筋線維の数と横断面積の減少が主体です。
【試験対策ポイント】
萎縮の種類は理学療法で頻出です。①廃用性萎縮(不動・ギプス固定・臥床。抗重力筋から先に落ち、1週間の臥床で筋力は10〜15%低下)、②神経原性萎縮(末梢神経損傷・ALS。線維束性収縮を伴う)、③加齢性萎縮(サルコペニア)、④栄養性・圧迫性萎縮。
サルコペニアの押さえどころ:TypeII線維優位の萎縮→素早い力発揮が落ちる→転倒しやすい。対策はレジスタンストレーニング(漸増負荷)と十分なたんぱく質摂取の併用で、高齢者でも筋肥大は起こります。評価には握力・歩行速度・骨格筋量を用います。
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