PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第77問

病理学概論第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第77問(病理学概論)の正答は 2 です。移植後の拒絶反応の主役は細胞性免疫です。

問題
移植後の拒絶反応について正しいのはどれか。
  1. 1. 自家移植で生じる。
  2. 2. T細胞が活性化される。
  3. 3. Ⅰ型アレルギー反応である。
  4. 4. 抗体が移植片の細胞を損傷する。
  5. 5. 宿主と移植片のHLAが一致すると起こりやすい。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — T細胞が活性化される。

移植後の拒絶反応の主役は細胞性免疫です。レシピエントのT細胞が移植片のHLA(主要組織適合抗原)を「非自己」と認識して活性化し、細胞傷害性T細胞が移植片を攻撃します。分類上はⅣ型(遅延型)アレルギーにあたります。


【各選択肢の解説】

1. 自家移植で生じる。
❌ 誤り。自家移植は自分の組織を自分に移植するもの(自家皮膚移植・自家骨移植など)で、HLAが完全に同一なので拒絶反応は起こりません。拒絶が問題になるのは同種移植(他人からの移植)です。
2. T細胞が活性化される。
✅ 正しい。レシピエントのT細胞がドナー抗原提示細胞のHLAを認識して活性化し、細胞傷害性T細胞・マクロファージを動員して移植片を傷害します。免疫抑制薬(シクロスポリン・タクロリムス)がT細胞を標的にするのはこのためです。
3. Ⅰ型アレルギー反応である。
❌ 誤り。Ⅰ型はIgEと肥満細胞による即時型(アナフィラキシー・花粉症・喘息)です。拒絶反応はⅣ型(細胞性免疫・遅延型)が中心です。
4. 抗体が移植片の細胞を損傷する。
❌ 誤り。抗体が主役になるのは移植直後数分〜数時間で起こる超急性拒絶(既存抗体によるⅡ型)に限られ、臨床で問題となる急性拒絶の主体はT細胞です。設問が問う一般的な拒絶反応の機序としては誤りです。
5. 宿主と移植片のHLAが一致すると起こりやすい。
❌ 誤り。逆です。HLAの適合度が高いほど拒絶反応は起こりにくくなるため、移植前にHLAタイピングとクロスマッチを行います。

【試験対策ポイント】

アレルギーの型と代表疾患は毎年どこかで問われます。

機序代表例
Ⅰ型IgE・肥満細胞(即時型)アナフィラキシー・気管支喘息・花粉症
Ⅱ型細胞傷害型抗体不適合輸血・自己免疫性溶血性貧血・重症筋無力症
Ⅲ型免疫複合体全身性エリテマトーデス・急性糸球体腎炎・過敏性肺炎
Ⅳ型感作T細胞(遅延型)ツベルクリン反応・接触性皮膚炎・移植拒絶反応

移植の用語も整理を。自家移植(自分→自分・拒絶なし)/同系移植(一卵性双生児・拒絶なし)/同種移植(他人→自分・拒絶あり)/異種移植(動物→ヒト)。逆にドナーのリンパ球がレシピエントを攻撃するのがGVHD(移植片対宿主病)で、骨髄移植で問題になります。

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