PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第51問

病理学概論第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第51問(病理学概論)の正答は 2 です。廃用性筋萎縮は不活動(安静臥床・ギプス固定・免荷)によって生じる萎縮で、運動神経そのものには障害がありません。

問題
廃用性筋萎縮で正しいのはどれか。
  1. 1. 筋原線維は保たれる。
  2. 2. 筋内神経線維は保たれる。 ✓
  3. 3. 筋張力は保たれる。
  4. 4. 筋線維の蛋白質合成は保たれる。
  5. 5. 筋萎縮の進行速度は神経切断後と同程度である。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 筋内神経線維は保たれる。

廃用性筋萎縮は不活動(安静臥床・ギプス固定・免荷)によって生じる萎縮で、運動神経そのものには障害がありません。したがって筋内を走る神経線維は正常に保たれます。萎縮の主体は筋線維(特にタイプI線維)の断面積減少です。


【各選択肢の解説】

1. 筋原線維は保たれる。
❌ 誤り。廃用では蛋白分解が亢進し、収縮蛋白(アクチン・ミオシン)からなる筋原線維が減少して筋線維が細くなります。
2. 筋内神経線維は保たれる。
✅ 正しい。神経支配は保たれたままの萎縮なので、筋内神経線維や神経筋接合部は基本的に保たれます。
3. 筋張力は保たれる。
❌ 誤り。筋断面積の減少に伴い筋力は低下します。完全臥床では1週間で10〜15%、1日あたり1〜3%低下するとされます。
4. 筋線維の蛋白質合成は保たれる。
❌ 誤り。不活動では蛋白合成が低下し分解が亢進するため、合成と分解のバランスが崩れて萎縮が進みます。
5. 筋萎縮の進行速度は神経切断後と同程度である。
❌ 誤り。神経切断による神経原性萎縮のほうがはるかに速く高度で、廃用性萎縮は比較的緩徐です。

【試験対策ポイント】

項目廃用性筋萎縮神経原性筋萎縮
原因不活動・免荷・臥床運動神経の障害・切断
筋内神経線維保たれる変性する
進行速度緩徐速く高度
起こりやすい筋抗重力筋(下肢・体幹)障害神経の支配筋
可逆性運動再開で回復しやすい神経再生に依存

廃用性萎縮は遅筋(タイプI線維)から先に萎縮する点も頻出です。「神経は無事、筋だけが痩せる」と覚えると選択肢2が即決できます。

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