PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第53問

病理学概論第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第53問(病理学概論)の正答は 2 です。脳塞栓症の塞栓源は心内血栓(心房細動による左房内血栓)が代表的ですが、内頸動脈分岐部の粥腫に付着した血栓がはがれて末梢の脳動脈を詰まらせる動脈原性脳塞栓(artery to artery embolism)も重要な機序です。

問題
疾患と塞栓源との組合せで正しいのはどれか。
  1. 1. エコノミー症候群 ―― 心内血栓
  2. 2. 脳塞栓症 ―― 内頸動脈血栓 ✓
  3. 3. 潜函病 ―― 脂肪塞栓
  4. 4. 肺塞栓 ―― 空気塞栓
  5. 5. 腎梗塞 ―― 静脈血栓

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 脳塞栓症 ―― 内頸動脈血栓

脳塞栓症の塞栓源は心内血栓(心房細動による左房内血栓)が代表的ですが、内頸動脈分岐部の粥腫に付着した血栓がはがれて末梢の脳動脈を詰まらせる動脈原性脳塞栓(artery to artery embolism)も重要な機序です。組合せとして成立するのは2番だけです。


【各選択肢の解説】

1. エコノミー症候群 ―― 心内血栓
❌ 誤り。長時間の座位・下肢不動で生じた下肢深部静脈血栓が塞栓源となり、肺塞栓症を起こします。
2. 脳塞栓症 ―― 内頸動脈血栓
✅ 正しい。内頸動脈のアテローム血栓が遊離して中大脳動脈などを閉塞します。心原性とならぶ主要な塞栓源です。
3. 潜函病 ―― 脂肪塞栓
❌ 誤り。潜函病(減圧症)は急激な減圧で血中に溶けていた窒素が気泡化して起こる気体(空気)塞栓です。
4. 肺塞栓 ―― 空気塞栓
❌ 誤り。肺塞栓の大半は下肢・骨盤の深部静脈血栓による血栓塞栓です。空気塞栓は中心静脈カテーテル操作時などの例外的原因にすぎません。
5. 腎梗塞 ―― 静脈血栓
❌ 誤り。腎梗塞は心房細動などによる心内血栓が腎動脈に飛んで生じる動脈性塞栓が主体です。

【試験対策ポイント】

塞栓は静脈系→肺、動脈系(左心・大動脈・頸動脈)→脳・腎・脾・下肢へ飛ぶ、という流れで整理します。長管骨骨折後の脂肪塞栓、減圧症の空気(窒素)塞栓、羊水塞栓など特殊な塞栓源もセットで覚えましょう。PTでは術後・臥床患者の深部静脈血栓→肺塞栓の予防(早期離床・弾性ストッキング・足関節運動)が実技面で問われます。

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