PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第76問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第76問(神経内科学)の正答は 4 です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが選択的に障害される疾患で、感覚系は原則として保たれます。

問題
筋萎縮性側索硬化症でみられないのはどれか。
  1. 1. 舌の線維束攣縮
  2. 2. 流涎
  3. 3. 肺活量低下
  4. 4. 深部感覚障害
  5. 5. 歩行障害

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 深部感覚障害

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが選択的に障害される疾患で、感覚系は原則として保たれます。したがって深部感覚障害はALSではみられません。


【各選択肢の解説】

1. 舌の線維束攣縮
✅ みられる。舌下神経核(下位運動ニューロン)の変性による球麻痺症状で、舌の萎縮とピクピクした線維束攣縮(fasciculation)はALSに極めて特徴的です。
2. 流涎
✅ みられる。球麻痺により嚥下が障害され、唾液を飲み込めず口からあふれるために生じます。唾液分泌が増えているわけではありません。
3. 肺活量低下
✅ みられる。呼吸筋(横隔膜・肋間筋)の筋力低下により拘束性換気障害をきたし、%肺活量が低下します。予後を規定する最重要因子です。
4. 深部感覚障害
❌ みられない。ALSは運動ニューロン疾患であり、後索(深部感覚路)は障害されません。四大陰性徴候の1つです。
5. 歩行障害
✅ みられる。下肢の筋力低下(下位ニューロン障害)と痙縮(上位ニューロン障害)が混在し、進行性の歩行障害をきたします。

【試験対策ポイント】

ALSで保たれる機能=「四大陰性徴候」は最頻出。

陰性徴候内容
感覚障害表在・深部感覚とも保たれる
眼球運動障害外眼筋は末期まで保たれる
膀胱直腸障害Onuf核が保たれ排尿障害は少ない
褥瘡皮膚のコラーゲン変化により生じにくい

これらは意思伝達装置(眼球運動・スイッチ操作)が使える根拠にもなります。逆に「陽性」に出るのは上位(腱反射亢進・Babinski陽性・痙縮)と下位(筋萎縮・線維束攣縮・脱力)の混在で、これがALS診断の核心です。

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