PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第79問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第79問(神経内科学)の正答は 1・5 です。中心性頸髄損傷は、既存の頸部脊柱管狭窄がある高齢者が転倒して頸部を過伸展した際に、骨折・脱臼がなくても起こる非骨傷性頸髄損傷です。

問題
中心性頸髄損傷で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 高齢者に多い。
  2. 2. 骨傷を伴うことが多い。
  3. 3. 灰白質の損傷は少ない。
  4. 4. 上肢よりも下肢の症状が強い。
  5. 5. 後縦靱帯骨化症があると生じやすい。

正答:1・5番

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解説
■ 正答:1・5番 — 高齢者に多い/後縦靱帯骨化症があると生じやすい

中心性頸髄損傷は、既存の頸部脊柱管狭窄がある高齢者が転倒して頸部を過伸展した際に、骨折・脱臼がなくても起こる非骨傷性頸髄損傷です。後縦靱帯骨化症(OPLL)や変形性頸椎症は代表的な素因になります。


【各選択肢の解説】

1. 高齢者に多い。
✅ 正しい。加齢に伴う脊柱管狭窄・骨棘・黄色靱帯肥厚を背景に、転倒による軽微な過伸展外力で発症します。
2. 骨傷を伴うことが多い。
❌ 誤り。骨折・脱臼を伴わない非骨傷性頸髄損傷の代表であり、単純X線では異常を認めないことが多いためMRIが診断に有用です。
3. 灰白質の損傷は少ない。
❌ 誤り。脊髄の中心部(灰白質および内側の錐体路線維)が主に損傷されるため「中心性」と呼ばれます。
4. 上肢よりも下肢の症状が強い。
❌ 誤り。錐体路は内側から頸髄・胸髄・腰髄・仙髄の順に配列するため、中心部の損傷では上肢の麻痺が下肢より強くなります(上肢優位型)。
5. 後縦靱帯骨化症があると生じやすい。
✅ 正しい。OPLLは脊柱管を前方から狭窄させるため、わずかな過伸展外力で脊髄が前後から挟まれて損傷します。

【試験対策ポイント】

中心性頸髄損傷の3点セット=高齢者・過伸展損傷・非骨傷性。症状の特徴は「上肢優位の麻痺」「手指の巧緻性低下と温痛覚障害」「膀胱直腸障害は比較的軽度」で、下肢は歩行可能なことも珍しくありません。予後は比較的良好で、下肢→膀胱機能→上肢近位→手指の順に回復し、手指の巧緻性が最も残りやすい後遺症です。錐体路の体部位局在(内側=上肢、外側=下肢)を図で理解しておくと、他の脊髄症候群(前脊髄動脈症候群・Brown-Séquard症候群)にも応用できます。

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