PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第83問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第83問(神経内科学)の正答は 4 です。Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は椎骨動脈または後下小脳動脈の閉塞で生じ、下小脳脚(脊髄小脳路)が障害されるため病側の小脳性運動失調が出現します。

問題
運動失調がみられるのはどれか。
  1. 1. 辺縁系脳炎
  2. 2. Parkinson病
  3. 3. 周期性四肢麻痺
  4. 4. Wallenberg症候群
  5. 5. Lambert-Eaton症候群

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — Wallenberg症候群

Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は椎骨動脈または後下小脳動脈の閉塞で生じ、下小脳脚(脊髄小脳路)が障害されるため病側の小脳性運動失調が出現します。


【各選択肢の解説】

1. 辺縁系脳炎
❌ 誤り。海馬・扁桃体など辺縁系が障害され、健忘・けいれん・精神症状が主体です。運動失調は主症状ではありません。
2. Parkinson病
❌ 誤り。黒質線条体のドパミン欠乏による錐体外路症状(安静時振戦・筋強剛・無動・姿勢反射障害)が主体で、小脳性運動失調はみられません。失調を伴う場合は多系統萎縮症などを疑います。
3. 周期性四肢麻痺
❌ 誤り。血清カリウム値の変動により発作性の弛緩性四肢麻痺をきたす疾患で、発作間欠期は無症状です。失調ではありません。
4. Wallenberg症候群
✅ 正しい。下小脳脚障害による病側の小脳性失調に加え、病側の顔面温痛覚障害と反対側の頸部以下の温痛覚障害(交代性感覚障害)、Horner症候群、嚥下障害・嗄声(疑核)、めまい・眼振(前庭神経核)を呈します。
5. Lambert-Eaton症候群
❌ 誤り。神経筋接合部のシナプス前膜(P/Q型カルシウムチャネル抗体)の障害で、近位筋の脱力と反復運動で筋力が一時的に改善する現象が特徴。小細胞肺癌に伴うことが多い疾患です。

【試験対策ポイント】

Wallenberg症候群は延髄外側の解剖がそのまま症状になるため、部位と症状をセットで覚えます。錐体路は延髄内側を通るので四肢の運動麻痺は出ないのが最大のポイントで、「歩けるのに飲み込めない」患者像になります。理学療法では嚥下・体幹失調・めまいへの対応が中心で、めまいが強い急性期は座位耐性から段階的に進めます。運動失調の鑑別は「小脳性(Romberg陰性・企図振戦)」「感覚性(Romberg陽性・視覚で代償)」「前庭性(めまい・眼振)」の3分類で整理してください。

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