PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第84問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第84問(神経内科学)の正答は 1 です。正常圧水頭症の三徴は歩行障害・認知症・尿失禁です。

問題
正常圧水頭症の症状でないのはどれか。
  1. 1. 複視
  2. 2. 尿失禁
  3. 3. 計算力低下
  4. 4. 自発性低下
  5. 5. 歩行不安定

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 複視

正常圧水頭症の三徴は歩行障害・認知症・尿失禁です。複視は動眼神経・外転神経など眼球運動系の障害で生じるもので、正常圧水頭症の症状には含まれません。


【各選択肢の解説】

1. 複視
❌ 症状でない。眼球運動障害(脳神経麻痺)や脳幹病変で生じます。正常圧水頭症では眼球運動は通常保たれます。
2. 尿失禁
✅ 症状である。三徴の1つで、最も遅れて出現することが多い症状です。初期は頻尿・尿意切迫として現れます。
3. 計算力低下
✅ 症状である。認知機能障害の一部で、注意・遂行機能・処理速度の低下が目立つ皮質下性認知症のパターンをとります。
4. 自発性低下
✅ 症状である。意欲低下・無関心・反応の緩慢さが前面に出るため、うつ病や他の認知症と誤診されやすい点が要注意です。
5. 歩行不安定
✅ 症状である。三徴の中で最も早く出現し、シャント術で最もよく改善する症状です。小刻み・すり足・開脚性で足が床に貼りつくような磁性歩行を呈します。

【試験対策ポイント】

正常圧水頭症の三徴は「歩行障害→認知症→尿失禁」の順に出現し、この順に治療反応性が良いと覚えます。特発性正常圧水頭症(iNPH)は治療可能な認知症の代表で、髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善すれば脳室腹腔(V-P)シャントの適応です。理学療法士はタップテスト前後の10m歩行時間・歩数・TUGを測定して効果判定に関わるため、評価指標まで問われます。画像所見は脳室拡大に高位円蓋部の脳溝狭小化を伴うDESH所見で、脳萎縮による代償性の脳室拡大との鑑別点になります。

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