PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第86問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第86問(神経内科学)の正答は 1 です。びまん性軸索損傷は、交通事故などで頭部に回転加速度が加わり、硬さの異なる組織の境界で軸索がねじ切られることで起こります。

問題
びまん性軸索損傷が最も起こりやすい部位はどれか。
  1. 1. 脳梁 ✓
  2. 2. 側頭極
  3. 3. 側頭葉外側面
  4. 4. 側頭葉内側面
  5. 5. 前頭葉眼窩面

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 脳梁

びまん性軸索損傷は、交通事故などで頭部に回転加速度が加わり、硬さの異なる組織の境界で軸索がねじ切られることで起こります。灰白質と白質の硬度差が生じる部位、とりわけ脳梁と上位脳幹(中脳背外側)が好発部位です。


【各選択肢の解説】

1. 脳梁
✅ 正しい。左右の大脳半球をつなぐ大きな白質線維束で、回転外力によるずり応力(シェアストレス)が集中します。脳梁膨大部や中脳背外側の点状出血が典型的な画像所見です。
2. 側頭極
❌ 誤り。頭蓋底の骨性突出に脳が打ちつけられて生じる脳挫傷の好発部位です。びまん性軸索損傷とは受傷機転が異なります。
3. 側頭葉外側面
❌ 誤り。直達外力による局所性の脳挫傷が起こる部位で、びまん性の軸索断裂の好発部位ではありません。
4. 側頭葉内側面
❌ 誤り。海馬など辺縁系がある部位で、低酸素脳症やヘルニアによる圧迫で問題になります。
5. 前頭葉眼窩面
❌ 誤り。側頭極と並ぶ脳挫傷の好発部位です。ここが損傷されると脱抑制・社会的行動障害が生じます。

【試験対策ポイント】

外傷性脳損傷は「局所性」と「びまん性」に大別します。

分類代表好発部位画像
局所性損傷脳挫傷・急性硬膜下血腫前頭葉眼窩面・側頭極CTで明瞭な血腫・挫傷
びまん性損傷びまん性軸索損傷脳梁・上位脳幹・皮髄境界CTでは軽微、MRIで検出

びまん性軸索損傷の臨床像は「受傷直後からの意識障害が長く続くのにCTで大きな占拠性病変がない」こと。後遺症は記憶障害・注意障害・遂行機能障害・易怒性などの高次脳機能障害が中心で、運動麻痺が軽くても社会復帰が難しい点が理学療法・作業療法の要点になります。

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