PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第89問

神経内科学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第89問(神経内科学)の正答は 3 です。大腿神経(L2〜L4)は大腿四頭筋と腸腰筋を支配するため、麻痺すると膝関節伸展と股関節屈曲が障害されます。

問題
末梢神経とその損傷による症状との組合せで誤っているのはどれか。
  1. 1. 長胸神経 ―― 翼状肩甲
  2. 2. 後骨間神経 ―― 手指MP関節伸展の筋力低下
  3. 3. 大腿神経 ―― 股関節伸展の筋力低下
  4. 4. 総腓骨神経 ―― 下垂足
  5. 5. 閉鎖神経 ―― 股関節内転筋筋力低下

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 大腿神経 ―― 股関節伸展の筋力低下

大腿神経(L2〜L4)は大腿四頭筋と腸腰筋を支配するため、麻痺すると膝関節伸展と股関節屈曲が障害されます。股関節伸展を担う大殿筋は下殿神経支配であり、組合せとして誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 長胸神経 ―― 翼状肩甲
✅ 正しい組合せ。長胸神経(C5〜C7)は前鋸筋を支配し、麻痺すると肩甲骨内側縁が浮き上がる翼状肩甲を呈します。上肢挙上時に肩甲骨の上方回旋が不十分になります。
2. 後骨間神経 ―― 手指MP関節伸展の筋力低下
✅ 正しい組合せ。橈骨神経の深枝である後骨間神経は総指伸筋などを支配し、麻痺すると下垂指(drop finger)となります。手関節伸展は長橈側手根伸筋が残るため保たれやすいのが特徴です。
3. 大腿神経 ―― 股関節伸展の筋力低下
❌ 誤った組合せ。大腿神経麻痺では膝伸展障害(膝折れ)と大腿前面の感覚障害、膝蓋腱反射消失が生じます。股関節伸展の低下は下殿神経(大殿筋)麻痺の症状です。
4. 総腓骨神経 ―― 下垂足
✅ 正しい組合せ。腓骨頭部での圧迫(長時間の下肢外旋位・ギプス)で生じ、前脛骨筋・長趾伸筋の麻痺により下垂足・鶏歩となります。
5. 閉鎖神経 ―― 股関節内転筋筋力低下
✅ 正しい組合せ。閉鎖神経(L2〜L4)は内転筋群を支配し、麻痺で内転が弱くなり大腿内側の感覚障害を伴います。

【試験対策ポイント】

下肢の主要神経と作用は次の対応で暗記します。

神経主な支配筋麻痺時の障害
大腿神経腸腰筋・大腿四頭筋膝伸展不能(膝折れ)
閉鎖神経内転筋群股関節内転低下
上殿神経中殿筋・小殿筋Trendelenburg歩行
下殿神経大殿筋股関節伸展低下・階段昇降困難
総腓骨神経前脛骨筋・腓骨筋群下垂足・鶏歩
脛骨神経下腿三頭筋・後脛骨筋踵離地不能・踵足

「股関節伸展=下殿神経」「膝関節伸展=大腿神経」の取り違えは頻出のひっかけです。

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