PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第5問

理学療法評価学第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第5問(理学療法評価学)の正答は 2 です。図はOberテストです。

問題
被検者を左側臥位にして、図に示す肢位から検者が右手を離しても右下肢は外転位のままとどまっている。 図に示す検査法で評価しているのはどれか。
第45回午前第5問 図
  1. 1. 腸腰筋拘縮
  2. 2. 腸脛靱帯拘縮
  3. 3. 仙腸関節病変
  4. 4. 大腿四頭筋拘縮
  5. 5. 腰椎神経根圧迫

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 腸脛靱帯拘縮

図はOberテストです。左側臥位で上側の右下肢を膝屈曲位のまま股関節外転・伸展位に保持し、支えを外しても下肢が内転せず外転位のままとどまる陽性所見が示されており、大腿筋膜張筋から腸脛靱帯にかけての短縮・拘縮を評価しています。


【各選択肢の解説】

1. 腸腰筋拘縮
❌ 誤り。腸腰筋の拘縮(股関節屈曲拘縮)は背臥位で行うThomasテストで評価します。
2. 腸脛靱帯拘縮
✅ 正しい。Oberテストで下肢が外転位のまま落下しないのは、腸脛靱帯・大腿筋膜張筋が短縮して股関節内転が制限されているためです。
3. 仙腸関節病変
❌ 誤り。仙腸関節病変はPatrickテスト(FABERテスト)やNewtonテスト、Gaenslenテストなどで評価します。
4. 大腿四頭筋拘縮
❌ 誤り。大腿直筋を中心とした大腿四頭筋の短縮は、腹臥位で膝を屈曲させるElyテスト(尻上がり現象)で評価します。
5. 腰椎神経根圧迫
❌ 誤り。腰椎神経根の圧迫はSLRテスト(Lasègueテスト)やBragardテスト、大腿神経伸展テストで評価します。

【試験対策ポイント】

腸脛靱帯は大殿筋と大腿筋膜張筋が停止する強靱な線維束で、脛骨外側のGerdy結節に付着します。短縮すると次のような問題が生じます。

  • 腸脛靱帯炎(ランナー膝):膝の屈伸に伴い大腿骨外側上顆と摩擦を起こし、膝外側部痛を生じる
  • 膝外反・下腿外旋方向のストレスが増え、膝蓋骨の外側偏位や変形性膝関節症の一因になる
  • 股関節内転が制限されるため、立位や歩行で骨盤の側方傾斜による代償が出やすい
治療は側臥位での持続的ストレッチ、大腿筋膜張筋のリラクセーション、中殿筋後部線維の強化が中心です。Oberテストは評価法であると同時にストレッチの肢位でもある点も覚えておきましょう。

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