第45回 理学療法士国家試験 午前 第6問
理学療法評価学第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第6問(理学療法評価学)の正答は 4 です。術前のエックス線写真とCTでは、右股関節の関節裂隙がほぼ完全に消失し、骨頭・臼蓋の骨硬化像、辺縁の骨棘形成、臼蓋底の肥厚、骨頭および臼蓋内の骨囊胞が認められます。
問題
64歳の女性。10年前から歩行時に右股関節痛を生じ、徐々に増悪して歩行が困難となったため後外側アプローチによる人工股関節置換手術を受けた。術前の股関節部エックス線写真(別冊No. 2A)、骨盤部CT(別冊No. 2B)および術後の股関節部エックス線写真(別冊No. 2C)を別に示す。
術前に認められないのはどれか。
- 1. 骨囊胞
- 2. 骨棘形成
- 3. 臼蓋底の肥厚
- 4. 特発性骨壊死 ✓
- 5. 関節裂隙狭小化
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 特発性骨壊死
術前のエックス線写真とCTでは、右股関節の関節裂隙がほぼ完全に消失し、骨頭・臼蓋の骨硬化像、辺縁の骨棘形成、臼蓋底の肥厚、骨頭および臼蓋内の骨囊胞が認められます。いずれも進行期〜末期の変形性股関節症の所見です。一方、骨壊死に特徴的な骨頭の圧潰や帯状硬化像(band sclerosis)は認められないため、特発性骨壊死が「認められない」ものになります。なお術後写真では人工股関節が設置されています。
【各選択肢の解説】
1. 骨囊胞
✅ 認められる。エックス線・CTともに骨頭および臼蓋内に境界明瞭な透亮像(骨囊胞)が確認できます。
✅ 認められる。エックス線・CTともに骨頭および臼蓋内に境界明瞭な透亮像(骨囊胞)が確認できます。
2. 骨棘形成
✅ 認められる。骨頭外側縁・臼蓋辺縁に骨棘の突出があり、変形性股関節症の代表的所見です。
✅ 認められる。骨頭外側縁・臼蓋辺縁に骨棘の突出があり、変形性股関節症の代表的所見です。
3. 臼蓋底の肥厚
✅ 認められる。CTで臼蓋底(涙痕部)の骨が厚く白く描出されており、荷重ストレスに対する反応性の肥厚です。
✅ 認められる。CTで臼蓋底(涙痕部)の骨が厚く白く描出されており、荷重ストレスに対する反応性の肥厚です。
4. 特発性骨壊死
❌ 認められない。骨頭が球形を保ち、壊死巣と生存部を隔てる帯状硬化像や骨頭の圧潰(陥凹)がありません。所見は関節裂隙狭小化から始まる変形性股関節症のパターンです。
❌ 認められない。骨頭が球形を保ち、壊死巣と生存部を隔てる帯状硬化像や骨頭の圧潰(陥凹)がありません。所見は関節裂隙狭小化から始まる変形性股関節症のパターンです。
5. 関節裂隙狭小化
✅ 認められる。右股関節の関節裂隙はほぼ消失し、骨頭と臼蓋が直接接触している状態です。
✅ 認められる。右股関節の関節裂隙はほぼ消失し、骨頭と臼蓋が直接接触している状態です。
【試験対策ポイント】
股関節のエックス線読影は、変形性股関節症と大腿骨頭壊死症の鑑別が最頻出です。
| 所見 | 変形性股関節症 | 大腿骨頭壊死症 |
|---|---|---|
| 関節裂隙 | 早期から狭小化 | 進行するまで保たれる |
| 骨頭の形 | 球形が保たれやすい | 圧潰・陥凹する |
| 特徴的所見 | 骨棘・骨硬化・骨囊胞・臼蓋底肥厚 | 帯状硬化像・crescent sign |
| 背景 | 臼蓋形成不全(二次性が大半) | ステロイド・アルコール・外傷 |
日本の変形性股関節症は臼蓋形成不全による二次性が約80%を占め、女性に多い点も押さえましょう。
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