第45回 理学療法士国家試験 午前 第7問
整形外科疾患理学療法第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第7問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。後外側アプローチによる人工股関節全置換術では、後方の関節包と外旋筋群を切離するため、股関節屈曲+内転+内旋が後方脱臼の肢位になります。
問題
64歳の女性。10年前から歩行時に右股関節痛を生じ、徐々に増悪して歩行が困難となったため後外側アプローチによる人工股関節置換手術を受けた。術前の股関節部エックス線写真(別冊No. 2A)、骨盤部CT(別冊No. 2B)および術後の股関節部エックス線写真(別冊No. 2C)を別に示す。
術後の理学療法で誤っているのはどれか。
- 1. 術後2日の大腿四頭筋の筋力強化
- 2. 術後3日の中殿筋の筋力強化
- 3. 術後7日の股関節内旋可動域訓練 ✓
- 4. 術後10日の荷重歩行訓練
- 5. 手術創治癒後の水中歩行訓練
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 術後7日の股関節内旋可動域訓練
後外側アプローチによる人工股関節全置換術では、後方の関節包と外旋筋群を切離するため、股関節屈曲+内転+内旋が後方脱臼の肢位になります。術後7日という早期に股関節内旋の可動域訓練を行うことは、まさに脱臼肢位へ関節を誘導する行為であり禁忌です。
【各選択肢の解説】
1. 術後2日の大腿四頭筋の筋力強化
✅ 正しい。等尺性収縮(パテラセッティング)は術直後から可能で、廃用予防と膝伸展機構の維持に有用です。
✅ 正しい。等尺性収縮(パテラセッティング)は術直後から可能で、廃用予防と膝伸展機構の維持に有用です。
2. 術後3日の中殿筋の筋力強化
✅ 正しい。中殿筋は歩行時の骨盤水平保持に不可欠で、Trendelenburg徴候の改善のため早期から強化します。ただし内転・内旋を伴わない範囲で行います。
✅ 正しい。中殿筋は歩行時の骨盤水平保持に不可欠で、Trendelenburg徴候の改善のため早期から強化します。ただし内転・内旋を伴わない範囲で行います。
3. 術後7日の股関節内旋可動域訓練
❌ 誤り。後外側アプローチでは屈曲・内転・内旋が脱臼肢位です。内旋方向の可動域訓練は行いません。
❌ 誤り。後外側アプローチでは屈曲・内転・内旋が脱臼肢位です。内旋方向の可動域訓練は行いません。
4. 術後10日の荷重歩行訓練
✅ 正しい。セメントレス・セメント使用いずれでも近年は早期荷重が原則で、術後数日〜1週程度から全荷重歩行を進めるのが一般的です。
✅ 正しい。セメントレス・セメント使用いずれでも近年は早期荷重が原則で、術後数日〜1週程度から全荷重歩行を進めるのが一般的です。
5. 手術創治癒後の水中歩行訓練
✅ 正しい。創が治癒していれば感染リスクは低く、浮力により関節への荷重ストレスを減らしながら筋力・歩行能力を高められます。
✅ 正しい。創が治癒していれば感染リスクは低く、浮力により関節への荷重ストレスを減らしながら筋力・歩行能力を高められます。
【試験対策ポイント】
人工股関節置換術はアプローチによって脱臼肢位が正反対になるため、必ずセットで覚えます。
| アプローチ | 切離する組織 | 脱臼肢位 | 日常生活の注意 |
|---|---|---|---|
| 後方・後外側 | 後方関節包・外旋筋群 | 屈曲+内転+内旋 | しゃがみ込み、脚を組む、床の物を拾う、横座り |
| 前方・前外側 | 前方関節包 | 伸展+内転+外旋 | 立位で体をひねる、うつ伏せ、後ろの物を取る |
臨床では後外側アプローチが多く、指導は「深くしゃがまない・足を組まない・和式トイレを使わない・低い椅子に座らない」が基本セットです。股関節屈曲は90°以内を目安とします。
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