PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第9問

理学療法評価学第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第9問(理学療法評価学)の正答は 4 です。MRAでは、左側にシルビウス裂へ向かう中大脳動脈の分枝が扇状に密に描出されているのに対し、右側の中大脳動脈は本幹以遠の分枝がほとんど描出されていません。

問題
60歳の男性。来院時のMRA(別冊No. 3)を別に示す。 このMRAで病的所見を呈するのはどれか。
第45回午前第9問 図
  1. 1. 内頸動脈
  2. 2. 前大脳動脈
  3. 3. 前交通動脈
  4. 4. 中大脳動脈 ✓
  5. 5. 脳底動脈

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 中大脳動脈

MRAでは、左側にシルビウス裂へ向かう中大脳動脈の分枝が扇状に密に描出されているのに対し、右側の中大脳動脈は本幹以遠の分枝がほとんど描出されていません。内頸動脈・前大脳動脈・脳底動脈は左右とも連続して明瞭に描出されており、病的所見を呈するのは右中大脳動脈です。


【各選択肢の解説】

1. 内頸動脈
❌ 誤り。頭蓋底から左右対称に立ち上がり、siphon部を含めて途絶や狭窄なく描出されています。
2. 前大脳動脈
❌ 誤り。正中を前方へ走行する前大脳動脈は左右とも描出されており、途絶はありません。
3. 前交通動脈
❌ 誤り。前大脳動脈同士を結ぶ部分は保たれています。もともと描出されにくい血管ですが、本症例では所見の主座ではありません。
4. 中大脳動脈
✅ 正しい。右中大脳動脈領域の血管網が健側(左)と比べて明らかに乏しく、閉塞・高度狭窄を示す所見です。
5. 脳底動脈
❌ 誤り。椎骨動脈が合流して正中を上行する脳底動脈は連続性が保たれ、後大脳動脈への分岐も確認できます。

【試験対策ポイント】

MRAは「左右差」を見るのが第一歩です。片側の血管網だけが乏しければその血管の閉塞・狭窄を疑います。主幹動脈の支配領域と症状は必ずセットで覚えましょう。

動脈主な支配領域特徴的症状
中大脳動脈前頭・側頭・頭頂葉外側面、内包、基底核上肢・顔面優位の片麻痺、優位半球で失語、劣位半球で半側空間無視、同名半盲
前大脳動脈前頭葉内側面、傍中心小葉下肢優位の片麻痺、尿失禁、意欲低下
後大脳動脈後頭葉、視床同名半盲、視覚失認、視床痛
脳底動脈脳幹、小脳意識障害、四肢麻痺、めまい、閉じ込め症候群

脳梗塞のうち中大脳動脈領域は最も頻度が高く、理学療法の対象として典型的な上肢に強い片麻痺を呈します。

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