第45回 理学療法士国家試験 午前 第12問
神経内科学第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第12問(神経内科学)の正答は 5 です。図の患者はベンチの端に殿部を接した中腰の姿勢で、股関節と膝関節を屈曲したまま身体を保持しています。
問題
68歳の男性。5年前に左手の振戦によって発症したParkinson病患者。1か月前に風邪をこじらせ、肺炎を併発したため入院した。歩行障害は3年前から出現し徐々に進行したが、転倒しながらも何とか自力で歩行していた。理学療法が開始され、立位を保持させたところ、図のような姿勢が見られた。
この患者に認められるのはどれか。
- 1. 骨盤は前傾している。
- 2. 頸部の立ち直りは十分である。
- 3. 立位時の踵接地は十分である。
- 4. 重心線は踵よりも前方に落ちている。
- 5. 膝関節伸展筋力はMMT 3以上である。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 膝関節伸展筋力はMMT 3以上である。
図の患者はベンチの端に殿部を接した中腰の姿勢で、股関節と膝関節を屈曲したまま身体を保持しています。この膝屈曲位の抗重力姿勢を保てているということは、大腿四頭筋が重力に抗して働いていることを意味し、膝関節伸展筋力はMMT 3以上と判断できます。
【各選択肢の解説】
1. 骨盤は前傾している。
❌ 誤り。図では腰背部が丸く後方へ張り出し、骨盤は後傾しています。Parkinson病でみられる体幹前屈・骨盤後傾の姿勢です。
❌ 誤り。図では腰背部が丸く後方へ張り出し、骨盤は後傾しています。Parkinson病でみられる体幹前屈・骨盤後傾の姿勢です。
2. 頸部の立ち直りは十分である。
❌ 誤り。頭部が前方へ突出して顎が突き出た肢位となっており、体幹の傾きに応じて頭部を垂直に保つ立ち直りは不十分です。
❌ 誤り。頭部が前方へ突出して顎が突き出た肢位となっており、体幹の傾きに応じて頭部を垂直に保つ立ち直りは不十分です。
3. 立位時の踵接地は十分である。
❌ 誤り。足部は前足部で接地し踵が床から浮いています。足底全体で支持できておらず、支持基底面が狭くなっています。
❌ 誤り。足部は前足部で接地し踵が床から浮いています。足底全体で支持できておらず、支持基底面が狭くなっています。
4. 重心線は踵よりも前方に落ちている。
❌ 誤り。骨盤と体幹の質量が足部よりも後方(ベンチ側)に位置しており、重心線は踵よりも後方に落ちています。そのため殿部がベンチから離れられず、立ち上がりが完了していません。
❌ 誤り。骨盤と体幹の質量が足部よりも後方(ベンチ側)に位置しており、重心線は踵よりも後方に落ちています。そのため殿部がベンチから離れられず、立ち上がりが完了していません。
5. 膝関節伸展筋力はMMT 3以上である。
✅ 正しい。膝屈曲位の中腰姿勢を保持できていることから、大腿四頭筋は重力に抗した収縮が可能であり、MMT 3以上と考えられます。
✅ 正しい。膝屈曲位の中腰姿勢を保持できていることから、大腿四頭筋は重力に抗した収縮が可能であり、MMT 3以上と考えられます。
【試験対策ポイント】
Parkinson病の典型的な姿勢は前傾前屈姿勢(simian posture)で、頸部前屈・体幹前屈・骨盤後傾・股関節と膝関節の軽度屈曲を特徴とします。姿勢反射障害(Hoehn-YahrステージⅢ以降)により立ち直り反応やステップ反応が減弱し、後方突進や転倒が生じます。
立ち上がり動作の指導では次の点が重要です。
- 足部を膝より後方に引く(足関節背屈位をつくる)
- 体幹を十分に前傾して重心を足部の上へ移す(お辞儀をしてから立つ)
- 号令やリズム、視覚的目標などの外的手がかり(キューイング)を用いる
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