第45回 理学療法士国家試験 午前 第73問
運動学第45回午前
第45回 理学療法士国家試験 午前 第73問(運動学)の正答は 4 です。図は体幹を前面から見た骨格図で、左右の下位肋骨(肋骨弓)と腸骨稜の間に1対の太い矢印が描かれ、いずれも斜め下外方(腸骨稜へ向かう方向)を指しています。
問題
呼気の補助筋で図中の矢印の方向へ胸郭を引き下げるのはどれか。
- 1. 腹直筋
- 2. 大腰筋
- 3. 腰方形筋
- 4. 内腹斜筋 ✓
- 5. 外腹斜筋
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 内腹斜筋
図は体幹を前面から見た骨格図で、左右の下位肋骨(肋骨弓)と腸骨稜の間に1対の太い矢印が描かれ、いずれも斜め下外方(腸骨稜へ向かう方向)を指しています。つまり下位肋骨を下外方へ引き下げる筋を選ぶ問題です。内腹斜筋は腸骨稜・鼠径靱帯外側・胸腰筋膜から起こり、線維が下外方から上内方へ走って第10〜12肋骨下縁と腹直筋鞘に停止するため、収縮すると下位肋骨を腸骨稜の方向(下外方)へ引き下げ、努力性呼気を助けます。
【各選択肢の解説】
1. 腹直筋
❌ 誤り。恥骨から起こり第5〜7肋軟骨と剣状突起に停止する縦走筋で、胸郭を引き下げる方向はほぼ真下(内下方)です。矢印が示す外下方への牽引とは一致しません。
❌ 誤り。恥骨から起こり第5〜7肋軟骨と剣状突起に停止する縦走筋で、胸郭を引き下げる方向はほぼ真下(内下方)です。矢印が示す外下方への牽引とは一致しません。
2. 大腰筋
❌ 誤り。腰椎から大腿骨小転子に至る股関節屈筋で、胸郭には付着せず呼気の補助筋にはなりません。
❌ 誤り。腰椎から大腿骨小転子に至る股関節屈筋で、胸郭には付着せず呼気の補助筋にはなりません。
3. 腰方形筋
❌ 誤り。腸骨稜から第12肋骨と腰椎の肋骨突起に付き、第12肋骨を下制して横隔膜の作用を助けますが、体幹の後面にあり作用は最下位肋骨の固定と体幹側屈です。図の矢印は体幹前外側の肋骨弓から腸骨稜へ向かっており、走行が一致しません。
❌ 誤り。腸骨稜から第12肋骨と腰椎の肋骨突起に付き、第12肋骨を下制して横隔膜の作用を助けますが、体幹の後面にあり作用は最下位肋骨の固定と体幹側屈です。図の矢印は体幹前外側の肋骨弓から腸骨稜へ向かっており、走行が一致しません。
4. 内腹斜筋
✅ 正しい。線維の走行から下位肋骨を下外方へ引き下げ、同時に腹圧を高めて努力性呼気に働きます。
✅ 正しい。線維の走行から下位肋骨を下外方へ引き下げ、同時に腹圧を高めて努力性呼気に働きます。
5. 外腹斜筋
❌ 誤り。第5〜12肋骨の外面から起こり、線維は外上方から内下方へ走って腸骨稜・鼠径靱帯・腹直筋鞘に停止します。肋骨を引く方向は内下方となり、図の外下方向きの矢印とは逆になります。
❌ 誤り。第5〜12肋骨の外面から起こり、線維は外上方から内下方へ走って腸骨稜・鼠径靱帯・腹直筋鞘に停止します。肋骨を引く方向は内下方となり、図の外下方向きの矢印とは逆になります。
【試験対策ポイント】
呼吸筋は「吸気か呼気か」「安静時か努力時か」で4分類します。安静吸気=横隔膜・外肋間筋、努力吸気=胸鎖乳突筋・斜角筋群・大胸筋・僧帽筋など、安静呼気=筋活動なし(肺と胸郭の弾性による受動的な運動)、努力呼気=腹筋群(腹直筋・内外腹斜筋・腹横筋)・内肋間筋・腰方形筋。COPDでは呼気が障害されるため腹筋群を使った口すぼめ呼吸や腹式呼吸の指導が行われます。腹斜筋は「外腹斜筋=外上方から内下方(ポケットに手を入れる向き)、内腹斜筋はその直交方向」と覚えると走行を取り違えません。
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