PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第73問

運動学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第73問(運動学)の正答は 4 です。安静立位では重心線が足関節のやや前方(外果の前約5cm、足関節軸の前方)を通るため、身体は常に前方へ倒れようとします。

問題
立位姿勢について正しいのはどれか。
  1. 1. 重心動揺は閉眼にて減少する。
  2. 2. 重心動揺は年齢によって変化しない。
  3. 3. 立位時に股関節のY靱帯は弛緩する。
  4. 4. 安静立位時にヒラメ筋の持続的筋収縮がある。
  5. 5. 立位時の重心の位置は第1腰椎の後方にある。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 安静立位時にヒラメ筋の持続的筋収縮がある。

安静立位では重心線が足関節のやや前方(外果の前約5cm、足関節軸の前方)を通るため、身体は常に前方へ倒れようとします。これに対抗してヒラメ筋を中心とした下腿三頭筋が持続的に低いレベルで活動し、姿勢を保っています。


【各選択肢の解説】

1. 重心動揺は閉眼にて減少する。
❌ 誤り。視覚情報が遮断されると姿勢制御が体性感覚と前庭系に依存するため、重心動揺は増大します(開眼/閉眼の比=ロンベルグ率で評価します)。
2. 重心動揺は年齢によって変化しない。
❌ 誤り。重心動揺は小児期に大きく、成人で最小となり、高齢になると再び増大します。加齢に伴う動揺の増大は転倒リスクの指標になります。
3. 立位時に股関節のY靱帯は弛緩する。
❌ 誤り。Y靱帯(腸骨大腿靱帯)は股関節伸展位で緊張し、骨盤の後方への倒れを制動します。人体最強の靱帯といわれ、立位保持の受動的要素になっています。
4. 安静立位時にヒラメ筋の持続的筋収縮がある。
✅ 正しい。前方への転倒モーメントに抗して、ヒラメ筋が持続的に活動しています。
5. 立位時の重心の位置は第1腰椎の後方にある。
❌ 誤り。日本人成人の身体重心は第2仙椎のやや前方(身長の約55〜56%の高さ)にあります。第1腰椎ではありません。

【試験対策ポイント】

安静立位のキーワードを数値とセットで押さえます。

  • 身体重心の位置:第2仙椎のやや前方、床から身長の約55〜56%(男性56%/女性55%前後)
  • 重心線が通る位置:乳様突起 → 肩峰のやや前 → 股関節のやや後方 → 膝関節のやや前方足関節のやや前方
  • 関節の前後関係から、股関節・膝関節は靱帯(Y靱帯・後方関節包)で受動的に支えられ、足関節だけは筋活動(ヒラメ筋)で支える
  • 安静立位で最も筋活動が少ない状態=「もたれ立ち」。エネルギー消費は座位よりわずかに大きい程度
  • ロンベルグ試験:閉眼で著明に動揺が増す=深部感覚障害(脊髄後索性失調)。小脳性失調では開眼でも動揺する
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