PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第2問

神経内科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第2問(神経内科学)の正答は 3 です。図では、10 cm離れたA線とB線の間を見本のようにまっすぐ結ぶ課題を3回行っています。

問題
図のAからBに見本のように線を引かせた。各試行のような所見を呈するのはどれか。
第45回午後第2問 図
  1. 1. 頸髄症
  2. 2. Parkinson病
  3. 3. 脊髄小脳変性症
  4. 4. 筋萎縮性側索硬化症
  5. 5. Guillain-Barré症候群

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 脊髄小脳変性症

図では、10 cm離れたA線とB線の間を見本のようにまっすぐ結ぶ課題を3回行っています。第1試行は線が細かく波打ちながらB線を大きく行き過ぎ、第2試行はA線の手前から始まってB線でほぼ止まり、第3試行はB線のはるか手前で止まっています。目標に対する距離の見積もりが試行ごとにばらつく測定障害(行き過ぎと届かない)と、線が波打つ企図振戦は、小脳性運動失調に特徴的な所見です。


【各選択肢の解説】

1. 頸髄症
❌ 誤り。頸髄症では手指のしびれや巧緻運動障害、痙性歩行がみられますが、目標に対して行き過ぎたり届かなかったりする測定の誤りは生じません。
2. Parkinson病
❌ 誤り。Parkinson病の書字は小字症が特徴で、線は徐々に小さく短くなります。振戦は安静時に強く、動作時にはむしろ軽減するため、この図のような大きな行き過ぎは説明できません。
3. 脊髄小脳変性症
✅ 正しい。小脳は運動の距離・速度・力の調節を担うため、障害されると測定過大(hypermetria)と測定過小(hypometria)が混在し、線が震えて波打ちます。図の所見と一致します。
4. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。上位・下位運動ニューロン障害による筋力低下が主体で、線が弱く短くなることはあっても、方向や距離が試行ごとにばらつく失調性のパターンは示しません。
5. Guillain-Barré症候群
❌ 誤り。末梢神経障害による四肢筋力低下と感覚障害が主体です。深部感覚障害による失調は視覚で代償できるため、開眼で行う線引き課題ではこのような測定障害を呈しにくいです。

【試験対策ポイント】

小脳性運動失調の主要所見をまとめて覚えます。

所見内容・検査
測定障害行き過ぎ・届かない。指鼻試験、踵膝試験、線引きテスト
変換運動障害前腕回内回外の反復が拙劣(アジアドコキネジス)
企図振戦目標に近づくほど振戦が増強
断綴性発語途切れ途切れの爆発性言語
失調性歩行開脚・動揺性(酩酊様)

書字の違いも頻出です。小脳性=大きく乱れる/Parkinson病=小字症で徐々に小さくなる。深部感覚障害による失調(Romberg徴候陽性)は閉眼で悪化する点で、小脳性(閉眼で著変なし)と区別します。

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