第46回 理学療法士国家試験 午前 第7問
神経内科学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第7問(神経内科学)の正答は 5 です。頭部MRIでは、両側の基底核から放線冠・深部白質にかけて多発する小さな高信号病変が散在し、側脳室周囲には広範な高信号(虚血性白質病変)が広がっている。
問題
75歳の男性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部MRI(別冊No. 2)を別に示す。
画像所見で考えられるのはどれか。
- 1. 視床出血
- 2. 硬膜下出血
- 3. くも膜下出血
- 4. 正常圧水頭症
- 5. 多発性脳梗塞 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 多発性脳梗塞
頭部MRIでは、両側の基底核から放線冠・深部白質にかけて多発する小さな高信号病変が散在し、側脳室周囲には広範な高信号(虚血性白質病変)が広がっている。長期の高血圧・糖尿病を背景として穿通枝領域に多発した梗塞(多発ラクナ梗塞)と虚血性白質病変の像であり、緩徐に進行した歩行障害・易転倒性という経過とも一致する。
【各選択肢の解説】
1. 視床出血
❌ 誤り。視床出血では一側の視床に境界明瞭な塊状の血腫を認め、しばしば脳室穿破を伴う。本例には限局した塊状病変はない。
❌ 誤り。視床出血では一側の視床に境界明瞭な塊状の血腫を認め、しばしば脳室穿破を伴う。本例には限局した塊状病変はない。
2. 硬膜下出血
❌ 誤り。硬膜下血腫は頭蓋骨の内側に沿った三日月型の貯留として脳実質の外側に描出され、正中偏位を伴うことが多い。本例の病変は脳実質内にある。
❌ 誤り。硬膜下血腫は頭蓋骨の内側に沿った三日月型の貯留として脳実質の外側に描出され、正中偏位を伴うことが多い。本例の病変は脳実質内にある。
3. くも膜下出血
❌ 誤り。くも膜下出血ではシルビウス裂・脚間槽など脳槽や脳溝に沿って出血が広がる。本例では脳溝・脳槽に異常信号はない。
❌ 誤り。くも膜下出血ではシルビウス裂・脚間槽など脳槽や脳溝に沿って出血が広がる。本例では脳溝・脳槽に異常信号はない。
4. 正常圧水頭症
❌ 誤り。特発性正常圧水頭症では脳室の著明な拡大に対して高位円蓋部・正中部の脳溝が狭小化する(DESH)のが特徴である。本例は脳溝が保たれ、白質・基底核の多発病変が主体である。
❌ 誤り。特発性正常圧水頭症では脳室の著明な拡大に対して高位円蓋部・正中部の脳溝が狭小化する(DESH)のが特徴である。本例は脳溝が保たれ、白質・基底核の多発病変が主体である。
5. 多発性脳梗塞
✅ 正しい。両側の基底核・深部白質に多発する高信号病変と、側脳室周囲の広範な白質病変が特徴的である。高血圧・糖尿病という危険因子とも合致する。
✅ 正しい。両側の基底核・深部白質に多発する高信号病変と、側脳室周囲の広範な白質病変が特徴的である。高血圧・糖尿病という危険因子とも合致する。
【試験対策ポイント】
・ラクナ梗塞は穿通枝領域(基底核・視床・内包・橋・深部白質)に生じる直径15mm未満の小梗塞。最大の危険因子は高血圧。
・多発すると偽性球麻痺(構音障害・嚥下障害)、感情失禁、血管性パーキンソニズム(小刻み歩行・すくみ足)、血管性認知症をきたし、階段状に増悪する。
・脳梗塞のMRI:発症直後から拡散強調画像(DWI)で高信号。T2・FLAIRで高信号となるのは数時間以降。
・画像の鑑別は「形」で覚える。視床出血=脳実質内の塊、硬膜下血腫=三日月型、くも膜下出血=脳溝・脳槽に沿う、正常圧水頭症=脳室拡大+高位円蓋部の脳溝狭小化。
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