PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第6問

義肢装具学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第6問(義肢装具学)の正答は 2 です。方向転換での非接触受傷、急性の疼痛と歩行不能、2週後に残る膝の不安定感という経過は前十字靱帯(ACL)損傷の典型像です。

問題
18歳の男性。サッカーの試合中に方向転換をしようとして膝関節をひねり、疼痛のため歩行不能となった。翌日に撮像したMRI(別冊No. 1)を別に示す。2週後に歩行可能となったが、膝関節に不安定感がある。適応となる装具はどれか。
第45回午後第6問 図
  1. 1. 図1
  2. 2. 図2
  3. 3. 図3
  4. 4. 図4
  5. 5. 図5

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 図2

方向転換での非接触受傷、急性の疼痛と歩行不能、2週後に残る膝の不安定感という経過は前十字靱帯(ACL)損傷の典型像です。ACLの前方不安定性・回旋不安定性を制動できるのは、膝継手と長い支柱をもつ硬性の機能的膝装具(ACLブレース)である図2です。


【各選択肢の解説】

1. 図1
❌ 誤り。図1は大腿前面遠位・膝窩・下腿近位の3本のベルトを短い側方支柱でつないだスウェーデン式膝装具。3点固定で膝の過伸展(反張膝)を止める装具で、前方不安定性は制動できません。
2. 図2
✅ 正しい。図2は大腿から下腿まで長い支柱が伸び、顆部の大きなパッドを備えた膝継手をもつ硬性の機能的膝装具(ACLブレース)。大腿2本・下腿2本の計4本のストラップによる4点支持で脛骨の前方引き出しと回旋を抑え、スポーツ復帰期のACL損傷に適応となります。
3. 図3
❌ 誤り。図3は鼠径部から足関節直上まで及ぶ両側支柱型の長い膝装具で、膝継手をロックして完全固定するタイプ。術直後や骨折後の固定用であり、すでに歩行可能となった本例には過剰な固定です。
4. 図4
❌ 誤り。図4は膝蓋骨部が丸くくり抜かれた(パテラオープン)軟性サポーター。保温と軽い圧迫、膝蓋骨の安定化には役立ちますが、支柱も継手もなく靱帯性の不安定性は制動できません。
5. 図5
❌ 誤り。図5は短い支柱に加えて大腿顆上部を横切る幅広のバンドをもつ装具で、前額面(内反・外反)を3点支持で制動する変形性膝関節症用の免荷装具。前方不安定性には対応しません。

【試験対策ポイント】

膝装具は「どの方向の不安定性を止めるか」で覚えると図を見て即答できます。

装具形の特徴止める動き・適応
スウェーデン式膝装具3本のベルト+短い側方支柱過伸展(反張膝)。片麻痺の反張膝
機能的膝装具(ACLブレース)長い支柱+膝継手+4点ストラップ脛骨の前方移動・回旋。ACL損傷
支柱付き長膝装具(膝継手ロック)鼠径部〜足部近くまでの支柱完全固定。術直後・骨折後
軟性サポーター(パテラオープン)布製・支柱なし保温・圧迫のみ。靱帯不安定性には無効
OA用免荷装具顆上バンド付き内反・外反。変形性膝関節症

ACLは「非接触・方向転換(cutting)・膝崩れ(giving way)」、PCLは「膝屈曲位で脛骨前面を強打(ダッシュボード損傷)」がキーワードです。

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