PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第7問

整形外科学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第7問(整形外科学)の正答は 4 です。腰椎MRI矢状断では、下位腰椎の椎間板が水分を失って低信号化し、後方へ突出して脊柱管内の硬膜管を前方から圧迫しています。

問題
35歳の女性。2か月前から腰痛と右殿部痛とが生じ、徐々に右下肢の疼痛が増悪してきた。腰部MRI(別冊No. 2)を別に示す。この患者に認められるのはどれか。
第45回午後第7問 図
  1. 1. 椎体骨折
  2. 2. 腰椎分離症
  3. 3. 腰椎すべり症
  4. 4. 椎間板ヘルニア
  5. 5. 後縦靱帯骨化症

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 椎間板ヘルニア

腰椎MRI矢状断では、下位腰椎の椎間板が水分を失って低信号化し、後方へ突出して脊柱管内の硬膜管を前方から圧迫しています。一方、椎体の高さと形は保たれ、圧潰(骨折)も椎体の前後方向のずれ(すべり)も認めません。2か月前からの腰痛・右殿部痛に続いて右下肢痛が増悪した経過は、神経根の圧迫による典型的な坐骨神経痛であり、腰椎椎間板ヘルニアと診断できます。


【各選択肢の解説】

1. 椎体骨折
❌ 誤り。画像上、椎体の楔状変形や高さの減少、骨髄の信号変化はなく、椎体の形態は保たれています。
2. 腰椎分離症
❌ 誤り。椎弓の関節突起間部の断裂を示す所見はありません。分離症は斜位単純エックス線(スコッチテリアの首輪像)やCT・MRIの椎弓部で評価します。若年のスポーツ選手に多く、伸展時痛が特徴です。
3. 腰椎すべり症
❌ 誤り。椎体後縁を結ぶ線は滑らかに連なっており、前方・後方へのずれ(すべり)は認めません。すべり症では間欠性跛行が生じます。
4. 椎間板ヘルニア
✅ 正しい。低信号化した椎間板が後方へ突出し、硬膜管を圧迫している所見と、片側下肢への放散痛という臨床像が一致します。
5. 後縦靱帯骨化症
❌ 誤り。椎体後面に沿って連続する肥厚した骨化像はありません。後縦靱帯骨化症は頸椎に好発し、腰椎ではまれです。

【試験対策ポイント】

腰椎椎間板ヘルニアはL4/5とL5/S1で全体の9割以上を占めます。高位別の症状は必ず覚えます。

ヘルニア高位障害神経根筋力低下感覚障害腱反射
L3/4L4大腿四頭筋下腿内側膝蓋腱反射低下
L4/5L5前脛骨筋・長母趾伸筋下腿外側〜母趾変化なし
L5/S1S1下腿三頭筋足外側〜小趾アキレス腱反射低下

理学療法では、急性期は安静と疼痛軽減を優先し、疼痛が落ち着いたら体幹安定化運動(腹横筋・多裂筋)と姿勢指導へ移ります。SLRテスト陽性(下肢挙上30〜70°で放散痛)が代表的な診断的所見です。

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